「資生堂 年間業績を下方修正へ 300億円赤字見通し コロナ影響 | 新型コロナ 経済影響 | NHKニュース」

 化粧品関連は特に中国人を筆頭にアジア人客なしでは厳しい。

 1か月くらい前から、銀座でチラホラと中国語が聞こえてくるようになったが、それでもデパートの各テナントの売上げはかなり厳しいらしい。

 しかしどこを見ても「インバウンド需要に頼るな」という主張が異様に多い。

 日本人はあまりお金を使わないので、その市場規模に合わせて事業を成り立たせようとすると、企業はスリム・コンパクト化する必要がある。

 店舗を減らせば同時に店員のリストラが生じ、生産量を減らせば工場の人員も減らされ、設備投資が減れば関連する機材メーカーもコスト削減(すなわちリストラ)し生き延びるしかなくなる。或いは撤退するか。

 が、撤退してしまうと、景気が戻った時の事業再稼働に時間がかかり、ただでさえ追い上げ追い越していったアジア系企業に対する競争力を失う。

 メーカーがデパートやテナント出店を控えた場合、必然的にメーカー直販のオンラインショップが主流となる。すると問屋も小売店も要らなくなる。

 ※化粧品業は今店頭での試用を断っているところが多く、更にタッチアップを控えているので、タイミング的にはオンラインショップへの移行に躊躇いがないだろう。

 更にそれ以上の問題は、接客が好きでメーカーの販売員になった人達にとって、オンラインショップ業務というと基本は梱包・出荷業務なので、早い話倉庫勤務。これに耐えられない人が多いんじゃないだろうか。

 飲食店も元に戻るほどの回復は見込めないだろうことを考えると、日本の単純労働者の受け皿だった小売を含めたサービス業は総じて見通しがよろしくない。

 失業率が増えると社会保障費が嵩むので、それを税金で補うことになり増税の話が出る。

 しかし世論はこの状況を見て消費税を下げろ、インバウンドに頼るなと言いたい放題であり、誰がお金を作るのかという肝心な視点で議論されていない。

 というわけで、買ってくれる人が居る限り、それが外国人であっても歓迎すべき時なんだが、いつになったら自分達が危機的状況にあることに気がつくのだろうか、日本人。と感じて久しい。