賞味期限が短いものが増えてきた。

 パンデミック以降、外国人の消費が激減し在庫の循環がよろしくないメーカーが多い。国産サプリメントは通常消費期限まで残り2年(ほぼ最新)というものばかりだったが、最近はあと6ヶ月もないものを店頭で何度かみかけた。マニアックなメーカーではなく大手が。スタッフが自分で気付いて気を利かせて電話で近隣店舗を当たってくれたが当該商品はどこも大差なく。

 インバウンドビジネス反対派は「外国人需要に頼るから製造しすぎるんだ」と主張するかもしれないが、その量産効果が失われると市場全体が値上げに向かい、ただでさえ給与の上がらない日本人消費者の財布にダメージを与える。

 2020年03月下旬からインバウンド消費(国際郵便が止まったことによるeBayなどの越境ECの売上減も含め)が消滅・激減したと考えると、2019年に製造されたものが今でも売れ残り、今年の後半に消費期限が切れ大量破棄が生じるシナリオ下にある。このままだと。

 お茶系の賞味期限も極端に短いものを何度かみかけた。通常8ヶ月〜くらいのものが残り30日とか。日本人のお茶の消費量はそれほど増減しないので、生産増に直結するのはインバウンド需要。売れ残っているんだろう。

 大量破棄がもったいなく賞味期限の書き換えなんて起きなければいいがと思うが、少なからず起きると思われる。

 国産メーカーはもっと輸出に力を入れるべきだと言いたいところだが、航空便の停止や遅れから船便需要が高まり、今世界的なコンテナ不足に陥っているらしい。輸送したくてもコンテナ待ち的な。

 当然貿易量の多いところが優先されるので、その力関係を維持するためにも外向きのビジネスの手を緩めるべきではない。

 10年くらい前にジャガーのディーラー担当者が、2000年初頭くらいまでは「アジアの港」と言えば真っ先に日本!だったのが最近じゃ中国ですよとボヤいていたのを想い出す。その分日本への到着が3ヶ月以上遅く、「最新車がアジアで最初に手に入る国」ではなくなったそう。

 「後回し」になるということは力関係の変化の現れであり、代替燃料が手に入らず電気料金が高騰した新電力のように、モノや材料を優先的に手に入れられなくなる=国力の低下に直結するということを無視すべきじゃない。ワクチンの確保も同じく。

 “全体”を見なきゃいけない時代。