数ヶ月前、ロシアから日本に遊びに来た女性にお土産をもらった。
バイオリンの形をした箱に入ったチョコレートで、チョコレート自体もバイオリンの形をしている。
その名もストラディバリウス。
くれた女性のお母さんが選んだらしく、ただそれだけで(他人のセンスを読み解く能力に)驚いていたんだが、つい先日もっと驚くべきことが起きた。
17時頃だったか、季節的に太陽高度が下がってきたこともあり、カーテンを開けると夕陽が部屋を対角線上に横切り、反対側の窓に抜けていくほど強い光が差し込む。
オレンジ色に染まった富士山の方向(10年くらい前までは遮るものがなく冬場富士山が見えていた)に目をやった瞬間、どこからともなくパガニーニのカプリス24番が流れ出した。
それもレトロな音質で古いレコードや蓄音機のようなヴィンテージサウンド。
イマドキの表現を借りると、久しぶりに脳がバグった。
モーツァルトやショパンが流れたのなら、どう考えても私の曲ではないので、どこから聞こえてくるんだろうくらいにしか思わないが、カプリス24番はもはや神の啓示かアセンションかと思ったほど(笑)。
その音源は何とこのチョコレートの箱だった。
あまりの驚きに一瞬わからなかったが、光センサーによるものだなと気付き、開封してみると実際にそうだった。
本来は箱を開けたら音楽が流れ出すという構造のようだが、日本の強い夕陽は想定されていなかったようで箱の上から濃い色のセロファンで包まれているにもかかわらず、それを通過して光センサーが反応したらしい。電源は小型ソーラー電池式。
会ったこともない人が私にコレを選ぶとは。
ロシアでは何十年も前(すなわちソ連時代)からあるらしい。
指導者に恵まれず残念な状態にあるロシアだが、何を差し引いてもロシア人の美的センスや芸術的な感性には強い結びつきを感じる。思春期の頃から。
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