発達障害の遺伝率。

 知能の遺伝について調べている際、『近年注目を浴びている 発達障害』という資料を読んだ。ADHDの精神科医らしい。

双生児研究では一卵性双生児の一致率は80-90%、二卵性双生児の一致率は32%

とある。

 両親のどちらかが当該遺伝子を持っていて、そこからマイナス10-18%くらいの確率ということか。

 私は発達障害には詳しくないが、遺伝だというのは解る。根拠としては「大人になって判明」「学校で指摘されて」という記事を良く見かけるから。

 両親が健常(定型発達)である場合、家庭内で違いに気付かないはずがないので(*1)、少なくともどちらかの親が似ていてそれを“普通”として捉える家庭環境にあると考えられ、必然的に遺伝だと推察される。

 (*1)色覚異常で言えば、両親共に色覚異常だと家族の誰も本当の色を知らず、子の色覚異常に気付きにくいだろうことと同じ。女性の色覚異常は極めて少ないため、一般的には少なからず母親が気付く可能性が高いが、発達障害の場合は似てる側の親が取り合わないことが多いのかもしれない。

 そこで気になるのは、遺伝率が100%でない限り、代が変わる度に出現率は下がっていくはずと予測されるが、世界的にも(日本は特に)増加しているのはなぜか。

 と考えると、遺伝率から想定される減少度合いを超える割合で子孫を残していることになる。

 だとすれば、現代社会(特に日本において)、発達障害優位の流れということか。

 これは社会に対する適応・順応(=“進化”)の形なのか。

 或いは社会が複雑になるにつれ先進国(特に高学歴、都市部)において出産に慎重かつ消極的になりつつある流れに反し、衝動的な恋愛または行為から生じた結果なのか。はたまたマイノリティが生存競争に打ち勝つために戦略的に(潜在的であっても)仲間を増やしているのか。

 発達障害は約10%を超え、AB型より多いという時代なので、管理職や経営陣は人ごとではなく把握しておく必要がある。

 

 MRI検査はそれなりに高いが、心理検査だけでは判定に迷った時や可能性の検討として使えるんじゃないだろうか。

COMT遺伝子(遺伝子検査ジーンライフ)