「マスク、ツイッターのソースコード凍結。テスラのエンジニアにレビュー指示 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン」

「『コードを見に行け』なんて、20世紀のアクション映画でお決まりの『その画像の解像度を上げろ*』の21世紀版にすぎないじゃない」」と続けた。

 それとは全く違う。

 原盤データより解像度を上げることはできない(元々写ってないものを写ってることにはできない)ので、それは架空の話。よくある電源もないものに「発信器をしかけた」と遠方から電波で追跡するそれと同じで、映画・テレビの世界。

 一方「コードを見に行け」は、その言語を扱うエンジニアなら可能なことなので、「解像度を上げろ」と一緒にしちゃマズい。

 文系に変換すると、英語を母国語とする社長が、買収した会社内の日本語で書かれた文書の正当性を確認するため、日本語を母国語とする付き合いの長い側近に「文書を確認しろ」というのと同じレベル。もちろん法律に対する正当性を精査したいのなら弁護士が必要だが、日本語でパッと見おかしなところがないかは確認できる。

 「自動車のエンジニアが見てどうなるのか」と問いたいところだと思うが、部外者の方が業界の習慣にとらわれずにコードを読むため、上手く行けばバッサリとコードをリストラできる。

 もちろん組み込みJavaのエンジニアにCで書かれたコードを見てこいと言えば「時間かかります」「精度は保証できません」となる可能性が高いにしても、イーロン・マスクがまずは確認したいのは、とんでもなくバカげた社外秘コードが埋め込まれていないかという点だろう。

 このバカげたコードとは、意図的に情報を隠蔽したりフィルタリングしたり、右・左側に偏った情報を優先していたり、言論の自由を脅かす可能性のあるものを見つけたいのだと考えられる。

 その「大物」を釣り上げることで彼は「私がTwitterを買収した理由と成果」を世間に誇ることができる(≒株価が上がる)というシナリオではなかろうか。