ゼニアとロロ・ピアーナ。

 今夏の普段着用ジャケパン(スーツのカジュアル版)はゼニアとロロ・ピアーナの生地にした。

 ゼニアは昔から何かがピンとこないまま今に至った。生地が目を引くことは確かで、例えばマセラティのゼニアシートはパッと見ゴージャスかつ優雅。しかし自分がそこに座りたくなるかというとそうでもない何かがある。

 ロロ・ピアーナはイタリア製生地に見られる日本の高温多湿な夏期のヨレが気になり、初期につくった一着を除いて避けてきた。高島屋の薔薇の会だったか、ロロ・ピアーナの靴が気になり、風向きを感じていたところ。

 結局のところ、私は上着の仕立ても生地もイタリアンはあまり好きじゃないんだろうが、テーラーで仕立てるようになりかれこれ22年ほど経ち、もう一度向き合ってみようかなと思った次第。

 シルエットはいつも通りブリティッシュ(笑)。だからイタリア製生地だと気付かない人も多いだろう。

 イタリアンの代表的なちょいワルスタイルとは正反対のカチッ(肩)とキュッ(ウエスト)な堅物スタイルのブリティッシュ。日本人はこの区別が付かない人が多い。

 そこにエルメスのスカーフのようなおフランスのエレガントなシャレ感を加えるのが私流。するとたちまちシャンパンが良く似合う絵面が完成する。

 仮縫いを済ませたので、1ヶ月半後あたりの仕上がり。