「日本郵便、住所入力で新サービス 7桁の英数字で荷物届く | 毎日新聞」

 ちょうど昨年末「そろそろ」と思った矢先だった。

 インターネットの世界では、昔からURLを短くするサービスや、本メールアドレスを知られたくないためのメール転送サービスなどがあり、QRコード(元を辿るとバーコード)も文字列を図柄に変換したものだし、覚えやすい・扱いやすいデータに置換するという考え方は古くからある。

 同様に、住所も変換してしまえばイイんじゃないかと当たり前に考えるところだが、意外にも2025年まで登場しなかった。

 この変換されたコード(以下「コード」と呼ぶ)さえ知らせたら、相手に住所を知らせずにモノを送ってもらうことも可能だろうか。それとも郵便番号のようにコードから住所を検索するサービスを提供するだろうか(すなわち公開)。

 メルカリや楽天オークション(古い名称か)もお互いの住所を知られずに取引が完了する匿名配送サービスがあるので、いっそコードだけでやり取りできる(かつ検索できない)ようになれば更に需要が高い気がする。

 もちろん送った郵便物の追跡で大凡どこあたりに配達されたかはわかってしまうんだが。

 ところで日本郵便が提供するサービスということから、ヤマト運輸や佐川急便などの他の配送業者による配送には使えないということだろうか。それとも同業者にもデータベースを共有するだろうか。

 シェア争いで3社が別々のサービスを始めるという展開はやめてほしい。

 7桁の英数字なので、英字は大文字だけの26文字だとすると、36の7乗(エクセルなら =36^7 で計算できる)で783.6億通りのアドレス空間を持つ。人口1.2億人の日本の全ての世帯を余裕でカバーする。

 引っ越した場合も、コードに紐付けた住所を変更するだけなので、過去にコードを通知した相手に住所が変わったことさえ知らせる必要がない。

 見方を変えると永久住所を持つ感覚でもある。

 仮にオンラインショップで買い物する際にコードの入力だけで済むようになれば、ショップから個人情報が漏れてもコードを変更すれば良いし、コードを知った業者からのダイレクトメールに関しても、マイページで許可・不許可(*1)を一括設定できるようであれば非常に便利。

 (*1)日本郵便には、利用者が直接コードを通知した相手か、漏れた情報(コード)宛に送ってきた相手なのかわからないので、最終仕分け(配達局)の段階でコードをスキャン(参照)する度に差出人情報をマイページに自動登録すると良い。以降、利用者は「この差出人からの郵便物を拒否する」という設定が可能になる。メールアドレスのスパムフィルターと同じ。

 数年前、クレジットカード番号のDHCP化(動的割当)はどうだろうかと書いてみたが、そのうち住所コードもDHCP化されるだろうか。

 日本郵便がどういう方向性でサービスを考えているのか興味深い。