会員ランク・ステージの締め日の考察。

 去年、「義務教育のプログラミング的思考とは。エクセルで考える」で軽く触れた

 ※1月と7月に1回など期間を区切ってランクが切り替わるようなところは手作業かもしれない(笑)。「180日以内」と移動合計で自動計算されていれば、締めて区切る必要がなく毎日ランクを自動決定できるから。例えば「1-6月の購入額が20万円を超えていたら次の期間はゴールド会員」という設定の場合、6月に会員になって19万円使った人はランクが上がらないどころか7月の集計からゼロスタートしてしまうので、自動化されていればこんな消費者をバカにしたような(笑)仕組みにはならない。ということは締め日に集計しているということ。これらを静的(static)、動的(dynamic)と言う。

について。

 三越伊勢丹のエムアイカードも、年に1回から随時に変更されるらしい。2ヶ月ほど前にお知らせ(特典率アップ時期の変更)が出ていた

1月〜12月の1年間のお買いあげ額に基づき、毎年2月1日に「年初の特典率」が決定
以後、所定のお買いあげ額※に到達すると翌年2月を待たず、到達翌々月の1日に特典率がアップ

 古典的なデパート系カードでさえ動き出したのだから、既に3周回遅れくらい(笑)の段階だと考えていい。

 なぜ静的(締め日でまとめる)方式がダメなのかというと消費者ファーストの思考ではなく、飽くまでシステムの都合または年度(決算)の都合でしかないから。今のようにオンライン上のデータベースがリアルタイムに更新される仕組みと異なり、紙ベースで集計していた時代の古い考え方。

 例えば1月から12月の購入額に応じて翌年のポイント還元率が決まる仕組みの場合、12月から使い始めた人はほとんどの場合次の1年間はずっと最も低いポイント還元率で下積み生活を送ることになる。

 しかしよく利用する人やお金持ちは01月中にもランクアップの条件を満たすかもしれない。潜在的優良顧客に対し「そのまま次の年まで我慢してね」では、今の時代客を競合に奪われてしまう。

 エムアイカードが変わる一方、一休は古典的な仕組みのまま。半年分の合計額で翌半年のランクが決まる。締め月に「あと3,000円でランクアップ」という状態でも月をまたぐと利用額はゼロにリセットされてしまう。

 「半年間の利用額」に拘るなら直近180日の移動合計にすれば良いことであり、何月から何月と区切る必要は全くない。ましてや5ヶ月前の利用額を無効化する必要もない。

 優良顧客の取りこぼしをなくしたければ、30万円以上、100万円以上とステップを決め、それを1日で満たせば翌日からでも適用した方が良い。ただし返品・キャンセルによって売上が取り消される可能性があるビジネスの場合は留保期間を設ける必要がある。

 さっさと近代化した方が良いシステムが山のように存在する。義務教育組が入社してくるのを待たずに更新していただきたい。