カービー氏はオバマ政権で国務省の報道官も務め、記者会見のプロともいえる。尖閣に関して慎重な発言が求められることを知らないはずがない。カービー氏の発言について、日本政府高官は「中国の軍事覇権に対する警戒感や不信の表れで、本音が出たのだろう」と分析する。
「記者会見のプロ」なら“思わず本音も漏れだした”という衝動的なことは起きない。全て計算尽く。
アメリカの裁判でお馴染みの言うだけ言って「撤回します」「陪審員は今の発言を無視してください」と同じ手法だと考える方が妥当だろう。
国として「尖閣の主権に関する日本の立場を支持する」と表明できなくても、そこそこのポジションの人が“ついうっかり”あんなことを言ってしまうくらいだから、もしかすると内々的にはその方針なのかもと思わせるには十分な効果がある。日本人はそう受け止めたいだろうし、中国にそう勘ぐらせるにも十分。
が、公式に撤回し「尖閣の主権をめぐる米政府の方針に変わりはない」とすることで、「現時点では」と受け手が勝手に付け加えてくれる。「意味もなくあんなことは言わないだろう」というバイアスによって。
※上記太字がバイアス。
何も変更せずに、タダで最大限の効果を上げる生産性の高い戦略的発言。
私ならそう受け止める。
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