インバウンド消費に関するニュース記事のコメント欄は、需要が減っても増えても決まってアンチインバウンド派が占めている。「別に買ってくれなくていい」的な。
が、輸出増で貿易黒字というニュースには、日本の技術力や品質の高さ、真心などを誇らしげに語るコメントで溢れている。「良い物は黙ってても売れる」的な。
私がワカラナイのは、インバウンド消費と輸出とは、客に渡す方法が違うだけ、要は相手が直接買いに来るか、船や飛行機で先方に送り届けるかの違いでしかないと思うんだが。
どちらも日本製品を買ってくれている人達。
にも関わらずこうも反応が異なるのは、外国人が日本に入ってくることへの嫌悪感なのか。それともバブル時代には自分達(日本人)が世界有数の消費者として持てはやされたのが、今では中国人に取って代わられたことへの嫉妬か、或いは時代と共に落ちぶれた当該世代の更年期にありがちな喪失感によるものなのか。
島国のDNAはよそ者に慣れていないのはわかるんだが、私はこの2つを分けて考える必要はないと思っている。
最近マーケットプレイス(主にeBay)にもEUのVAT徴収義務を課したように、転売ビジネスが一大産業になっている。もちろんメーカーや正規店舗が出品していることもあるんだが、個人で買って海外に送るいわゆる買い物代行的なサービスも多くを占め、国内のメーカーや小売店から見れば直接売った相手は日本人でも、実際にはそれが海外に送られ愛用しているのは外国人ということが多々ある(2019年にも書いた)。
そのインバウンドも転売輸出も今減っているから賞味期限が短いものが増えているという構造にある。
インバウンド消費も輸出も海外への転売ビジネス(輸出に含まれるが)も、日本製品を求める外国人マネーで成り立っていて、感謝はしても毛嫌いするようなものじゃないと思うんだが。私は。
0コメント