確かに国内でお金が使われている。ブランドブティックでも頻繁に行列を見かけるし、ティファニーでは「結婚指輪にお金をかける人が急増していて好調です」と聞いた。
で、こういう話になると昔から決まって「鎖国をすれば内需が増す」と言い出す人がいるんだが、ブランド物にしても、記事にある高級腕時計にしても、
外国メーカーの輸入車の販売台数は6か月続けて増えていて、なかでも1000万円以上の価格帯は9か月連続の増加だ。ルノー、フィアットなど4つのブランドでは、先月1か月の販売台数が過去最高を記録している。
にしても、ホテルにしても、ミドルハイからお金持ち(いわゆる富裕層)が使う対象はほとんどが外資のもの。
外国法人であっても日本で消費されれば日本の税収は増えるし雇用も維持されるので全部を持っていかれるわけじゃないんだが、お金持ちを魅了するもの(=付加価値があり利益率が高いもの)を作れない日本が輸入物の消費だけでいつまで食べていけるかというと、先行きは明るくない。
という点から、引き続き外需(海外からの旅行客)を誘い、日本製品を買ってもらう努力をした方が良い。少子化で内需が萎むのは確定しているし。
15-59才の現役層だけで見たら、2020年から10年ごとに657万人、942万人、615万人、544万人減っていく。40年間合計で2,758万人減。現役層だけでも東京2個分の人口が減る。
それに対し2019年の訪日外国人旅行者数は年間3,118万人。
日本国内の消費は訪日外国人の増加に支えられている(支えられていく)んだが、問題は当の日本人の多くがそのありがたみがわかっていないこと。
外資の商品やサービスを売る・提供するだけだと、日本人は何も生み出さないただの労働者であり、支配階級は外国人という構図から抜けられない。
iPhoneもWindowsもGoogleもAmazonも海の向こうの生産物だし、1つのことしかできない職人型の日本人の限界を感じる。「ここの鏡面仕上げが日本でしか作れないんですよ」的な。しかし製品化するのは外国人。
もっと総合力を付けて最終的な完成品をイメージできる頭を育成し、ブランディングなどのセンスまで身につけていかないとこの先厳しい。
テーラーで言えば12cm四方くらいの布から3ピースのスーツの仕上がりをイメージするようなソレ。「こんな小っちゃい生地からイメージできない。完成品を見てみないとわからない」という人が多く、それは右脳が発達してないのだろうと思う。
というわけで、机の上で考えるだけじゃなく感じる力、そして空気を読む嗅覚を育てていかなきゃならない。日本人は。
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