「サハリン2大統領令、岸田首相「LNGすぐ止まらず」 安定供給に万全 | ロイター」

 経済制裁を科しながら共同事業をとは当然にいかない。それはムシが良すぎる。

 去年のオリンピックの際にも書いたが、ロシア(というよりプーチン大統領)はこの数年で、ことある毎に日本へのあからさまなお別れサインを出してきたにもかかわらず、「またまたぁー、好きなくせにぃー」の文化の日本人は空気を読み誤ったところがある。

 だからといってロシアの行動が正当化されるわけではないのは言うまでもなく、まともな思考でないプーチン大統領と向き合うには、それ相応の空気の読み方が要求される。

 例えば、完全に言動も行動もおかしな人がナイフを振り回したり人質をとって立てこもった場合に、学校の先生のような正論を並べ立てる説教・説得が通用すると思ったら大間違いどころか、自分も命を落とすリスクがあるという判定能力が必要だが、日本人は正しいこと言っていれば自分が守られるというお花畑思考が多い。

 賢い側が対応しなきゃいけない。

 総理の言葉通り、LNG供給はすぐに止まらなかったとしても、日本経済の潜在的な弱さはより鮮明になるため、円安圧力が強まり、その結果電気代が高騰する。

 電気代が上がると低所得層の熱中症が増えるだけに留まらず、小売店やサービス業の利益率が低下し、値上げによって物価高を招く。その結果、給与が上がらない日本人低所得層はますます貧困化する。

 この弱さはすぐに改善できないので、日銀は円高誘導で電気代高騰を抑えるしかないんじゃないか。

 電気代は、この夏にもう一段、二段の値上げがあるだろう。