エルメスのウマ飾り。そしてツイリー。

 あのウマの飾りをロデオと言うらしいんだが、去年の秋頃初めてエルパトという言葉を知って検索してみると、(日本で)出てくるバーキンの写真の9割以上がバーキン+ウマ+ツイリー。

 最初は冗談かと思ったが、あまりにもミンナ付けているもんだから「バーキンの付属品なのかな」と思い(笑)情報収集に努めた。それが何万円もする別売りのエルメス製品だと知って思わず笑った。

 まー、これも幼稚な日本人文化かと思っていたら、海外でもウマを付ける人が一定数いることがわかり、ますます気がかり(笑)でひたすら検索し続けた。

 そして私の結論は。

 ウマの有無で、セレブか一般人かがわかる。

ということ(笑)。

 あとツイリー(後述)。

 私なら鹿を組み合わせることはしても(笑)、あのウマは絶対に付けないし、身近な(適正所得以上の)人でウマを付けようとする人がいれば全力で止める(笑)。

 昔から、ハリウッドスターや世界のセレブのファッションチェックみたいな記事の中で(当然エルメスのーショーに参加する人を除いて)、バーキン以外のエルメス製品を見たことがなく(9割バーキンでたまにケリーとスカーフ、その他のバッグくらい)、私の中でも長らくエルメスはファッションブランドではない(笑)という位置付けできた。革職人+スカーフのブランド的な。

 それが自然な感覚だろうと今でも思っている。

 が、私も歳を取り(笑)、感覚がズレてきたのかなと改めてこの10年くらいの海外セレブ達のバーキンコーディネイトを探してみたが、ウマもツイリーもゼロ。1件も見つけることができなかった。

 他人の好みにケチを付けたくて言ってるわけではなく、バーキンの持ち方(手に入れるまでの過程も含め)が2極化しているという実情の話。そもそもエルパト自体が大衆文化ではあるんだが。

 これまで十分なお金を稼いで来て、本当に良い物を沢山見て所有してきて、なおかつお洒落のセンスがあって(ブランドネームを必要としない人)、いつでも誰(エルメスの店員も含め)の顔色を伺う必要もなく好きな服を着て、好きなバッグを持つ人達が、事情もなしにあのウマを付けて歩くとは考えられない。

 推察するところ、いわゆる「購入実績」作りの過程でウマを買う文化が生まれたのかなと思う。他に欲しいものがないから仕方なしに「カワイイ」(ってことにしよう)的な(笑)。そしてウマを付けた「バーキン購入報告」をSNSで見かけた人達が、ウマを買った方がバーキンへの近道なんじゃないかと噂が噂を呼び、他のエルパト組が追随してウマ付きがスタンダードとなったという流れじゃなかろうか。

 ツイリーに関しては、明るい色の革のハンドルが手汗で変色するのを防ぎたいという気持ちはわかる。が、大半は売るときのことを考えてのことだろう気がするし、みんながみんなツイリー巻きでは、完全に「見よう見まねのバーキン持ち」感があり、そもそも130万円超のバッグが似合う人達じゃない。

と私は感じる。

 セレブにとっちゃバーキンも消耗品・日用品でしかないのでツイリーを巻く必要もない(考えつきもしない)というのも当然。

 といういわけで私がFBIのプロファイラーなら、アカデミーで2枚のバーキン持ち女性の写真を見せて背景分析をする課題を出す(笑)。

 私がバーキンを手に入れた暁には、保護袋に入れて箱に入れてショッパーに入れて、ショッパーの取っ手にツイリーを巻いて、手術用ニトリルグローブの上に手袋してからお出かけしようかと思った次第(笑)。

 一周回って遠心力を味方に付け「いつもエルメスの大きな買い物袋を持ってる人」→「今日もエルメス買われたんですかぁ?」とむしろセレブ感が増すかもしれない(笑)。

 どうせ中は見えないから空箱でイイか(笑)。

 もしかしてソレでメルカリでエルメスの空箱を売ってる人がいるのか(笑)。

 これもカルチャーだなと思う。恐れ入った。