セキュリティじゃなくて不具合。

 同じクレジットカードを長く・頻繁に使っていると、ある時を境に決済でエラーが生じる頻度が高まる。

 ということがある。

 特にインターネット決済時。

 言うまでもなく限度額オーバーとか利用に問題があるとかじゃなく。

 これはカード会社が不正利用防止のための判定基準を変更・調整した時に生じる。

 セキュリティとは厳重にすればするほど利便性を犠牲にすることが多い。ある程度仕方ない。

 が、定期便などの決済がイチイチ引っかかって「決済できませんでした。他の決済方法をご連絡ください」と通知がきては困る。手間で言えば都度注文と何も変わらなくなるから。メールでカード番号は伝えられないので、ほとんどの場合電話をかけることになり、「ただいま電話が大変混み合っております」で待たされる。

 でカード自体には問題がないので「再度決済してみてください」→「できました」となる。今のところ100%。

 これをカード会社に「不便だ」と伝えると「セキュリティの調整」が行われる。

 言葉は立派な響きだが、実際には本人が「自分が使った」と言えば、その店舗での利用分に対するセキュリティチェックを緩めるという加盟店毎のホワイトリスト方式で、人力手作業のアナログ対応。

 そこで根本的な問題は。

 ちゃんと本人が使っていて(しかもいつも使っている店舗で)エラーが出たらそれはセキュリティじゃなくて不具合(笑)。

 例えば自宅のセキュリティを厳重にしたところ、本人が家に入れなくなった場合、それを「セキュリティ」と呼ぶかというとそうではない。

 不具合。

 人間で言えば、自宅のゲートに管理人を設置したはいいものの、その管理人が雇い主(主人)の顔を覚えず毎回身分証の提示を求めてきたら、それを「セキュリティ」とは呼ばず「才能がない」と表現するだろう。

 「陰性」「陽性」で言うと異常=陽性、正常=陰性なので、本人が使っていてしかも毎月利用している店舗でエラーが生じた場合「擬陽性」判定が生じたということ。

 いわゆるフォールスポジティブ

 すなわち判定精度に問題がある=不具合であって、セキュリティじゃない。

 だから「この度は大変ご不便をおかけしまして」と言うところであって、駆けつけた正義の味方みたいな顔して「調整したからもう大丈夫、安心して」というところじゃない(笑)。

 今後社会はこういった駄作アルゴリズムの上に構築されていき、5年後10年後にはとんでもないエラー社会になっているだろうと予測する。