「エルメス製品よりもエルメス(Hermès International)の株を買った方がイイ」という考え方は世界中にあるようで、これは製品と株を投資商品として同列に見てのことだろうと思う。
株を持っててもフレンチレストランやパーティーのドレスコードはクリアできないので(株券をポケットチーフ代わりにするわけにもいかず(笑))、実際は比べるものではなく、服や靴、バッグは消耗品(日用品)、株は投資品目、どちらかを選ぶ必要はない。「どっちも」もあり。
選ぶ必要があるとすれば、どちらかにしかお金を回せない環境にある人なので、そもそもエルメス製品には用がない人かもしれない。
エルメスの株価は引き続き手堅いだろうとは思う。他のハイブランドが下がっていく中で相対的優位性がある。
ただ、日本から見た場合事情が特殊で、この1年間のように円安の極みにいるタイミングでエルメスを含め外国株(外国資産全般)を買うのは、私ならすすめない。
※2年以上前にエルメス株を買った人なら、株高と円安まっしぐらだったので、今年03-05月に売っていれば利益が大きい。
わかりやすい数字で書くと、エルメス株が1,000ユーロだったとする。
今年の(かつ今月初めまでの)平均的な為替相場で見て1ユーロ=170円の時に買えば17万円。
株価が1,200ユーロに上がったとする。
ユーロ/円相場の変動がなくそのまま売却すれば単純に1.2倍となり20.4万円。
差益3.4万円。
しかし、もし1ユーロ=140円になっていたら1,200ユーロ=16.8万円。
差損2,000円。
という具合に、株価は上がっても為替で損する場合があり、外国資産・投資商品を現地通貨建てで買う時は、為替差損益も考慮する必要がある。
今年07月10日に175.08円だったユーロは、今日現在158円。
私の予想では年末にかけて140円を切るだろう気がしている。米ドルも。
「どうしても」という前提で、今欧州の投資商品を買ってもイイ人とは、円高の頃にユーロを買って持っていた人。そうでない人は円高になるのを待った方が良い。
円高の頃に海外資産を買った人達(外資のストックオプション含む)は、この1年が最高の売り時で儲かったに違いない。
しかしこのまま円相場のトレンドが転換し円高が進行すると、エルメスなどのハイブランド客の顔ぶれが“円高時に強い人達”に入れ替わるかもしれない。
というわけで、十分な円高でユーロ自体が割安に見えたタイミングで、エルメスの株価(を含む海外資産の価値)を吟味する方が良い。
私もいつか買ってみようかなとこの1年くらい株価と為替を眺めている。
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