前稿に関連して、ロシアの大半(または全部)は銀行が発行するデビットカードなので、クレジットカードのように一時的に借金する考え方がないヒトが多い。
で補足資料を作ることになったので、こちらにも載せることにした。
デビットカードの場合、決済した瞬間から口座から引き落とされるため、1日1,000円×30口の決済を行う場合は、口座に3万円/日入っていればいい。無借金。
一方日本のクレジットカードは一時借入型(信用取引すなわち後払い)なので、口座振替が完了するまでは借金があることになる。
上図のように、前月19日までに使った分が今月10日に口座振替され、支払い完了情報が15日にカード会社のデータベースに反映するケースで考えてみる。
※残高不足で口座振替が完了しなかった場合は15日にカードが止まると考えていい。
前々月の20日から前月の19日までに使った66万円が引き落とされるのは今月の10日かつ反映は15日だから、前月の20日から今月の14日までに使った57.75万円を合わせた123.75万円の与信枠が必要になる。
クレジットカード会社から見れば、その間に何があるかわからないので(例えばコロナウイルスで店を閉めたとか)、必ずしも口座振替が完了するとは限らず、「多分払ってくれるだろう」という信用に基づき立て替えてくれている=利用者側は借金している状態(ローンとはまた別物)。
よって限度額が100万円だから、今月100万円、来月100万円と使えるわけではない。
毎月66万円を決済し続けるには123.75万円の与信枠(限度額)が必要で、電話料金などその他の支払いにも使用する場合は、同じように+約2ヶ月分の与信枠を必要とする。
クレジットカード会社が設定する与信枠から当該顧客に対する信用度合いが見てとれる。
この与信枠と実際の利用額、支払い状況を約2年分記録するところがCICやJICCといった信用情報機関であり(クレジットカード会社や銀行、電話会社などが加盟する)、支払いが滞ったりすれば新規のクレジットカードが作れないどころか、他社のクレジットカードが止まったり、ローンが組めなかったり、スマートフォンの分割払いが拒否されたりするのは、各社が情報を共有しているから。
※今ではスマートフォンの分割払いが当たり前になり、この契約額と支払い状況も記録され、ローンと同様に扱われる。
滞納が3ヶ月続くと異動情報が記録されいわゆるブラックリスト入りし、5年間記録されるため、その後の経済活動が制限される(ローンが組めない、カードが作れない等)。
という具合。
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