文章問題にしたら多分IQ 110くらいの問題。
安倍晋三首相がアプリ導入を発表した記者会見で言及した「6割」という数字の根拠は、2020年4月にオックスフォード大学のクリストフ・フレイザー教授の研究グループが発表したシミュレーションだ。同じ会見で首相は「人口の6割近くにアプリが普及し、濃厚接触者を早期の隔離につなげることができれば、ロックダウンを避けることが可能となります」と発言した。
シミュレーションをした人がどアホか(笑)、発表を飛ばし読みして肝心なところ(ただし書きとか)見落としたか。起こりうる頻度は後者の方が高い。
陰性者が「陽性者との接触の有無を確認したい」と積極的に導入する確率と、陽性者が「自分が陽性であることを不特定多数の人に周知したい」と積極的に導入する確率を考えたら、初めから成り立たないことが確定している。
※前者が多ければ多いほど陽性者にはプレッシャーになる。
善意で成立(陽性者が自発的に陽性登録)すると考える人はいわゆるお花畑思考。
タイトルの「6割普及に必要なこと」の答えは1つ。
全て或いはせめて8割の陽性者が強制的に登録されること。なおかつ陽性登録した場合Bluetoothをオフにできない仕組みが必要(後述のOS組み込みレベル)。そうすれば勝手に陰性者の登録が増え、スマートフォン契約者数の9割以上を達成できるだろう。
人々が欲しい情報とは何か。ダウンロード数や陰性者の数じゃない。陽性者の数と遭遇する可能性(確率)、そして自分が接触したのかという情報。だから「6割普及を目指す」んじゃなくて、「陽性者登録率8割以上を目指す」が真。
と言うより、それができればOSに組み込まれるくらい。陽性者IDのフォーマットを世界標準(ISO)化すれば、あらゆる感染症に使える汎用性の高いアプリとなるから。
しかしそうなっていないのは、どこの国も陽性者の登録を義務付ける法律がなく、概念に可能性を感じていたとしても(≒いつか陽性者登録義務付けに期待)、現時点でアプリの有効性を感じていないということ。
まだ空想・妄想段階。
前稿にも書いたが日本の陽性判明者は約2.1万人。人口1億2,650万人で割ると0.01%(1万人に1人)だから、陽性者登録率100%だったとしても滅多にすれ違わない。ましてや1メートル以内15分以上の条件を満たす可能性は限りなくゼロに近い。
例えば飛行機の隣の座席に陽性登録者が座っていてもこのアプリは反応しない。機内モードはBluetoothもオフになるから。
だから陽性者登録率100%という“理想”が叶ったとしても、アプリが反応する可能性は極めて低い(日本の場合)。
税金の申告漏れや脱税は厳しく罰せられるのに対し、感染症の陽性告知義務はない。陽性であることを隠して他人に感染させ、その他人が死亡したとしても殺人罪に問われることもない。
概念自体は法律次第で実現可能なものだが、実際の社会環境をもとに(全体理解)シミュレーションしないと机上の空論と化する。
ということから知能や知性とは深度(depth)ではなく、範囲(scope)×深度(depth)と言える。
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