「堀江貴文「『メモの魔力』がどれだけ話題になっても、僕がメモを取らないたった一つの理由」 実利的にはぜんぜん意味がない | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)」

 私も昔から全くメモを取らない派で、常時メモっている人を見てそんなに覚えられないのかと思うことがよくあった。

 で、ウェクスラーを受けてはっきりワカッタのは、ワーキングメモリーが極端に小さい(機能性が低い)人がいるということ。

 ソレは日常生活に差し支える。だから統合知能検査の中にその検査項目が存在する。

 ホリエモン氏のように、東大に合格する頭がある人というのは、記憶(暗記)学習ができる人。すなわち記憶力が平均よりはるかに高い人。そして事業主や役職者は責任感によって記憶する範囲が拡がる。逆に労働者層は自分に直接関係のあることしか覚えない傾向が強い。「それこの仕事に関係ありますか」的な。

 学力で言えば偏差値50を切ると頭の良い・悪いの域を超えて、そもそもそんなに記憶できない人達が多い。

 あと年代差もあるように感じる。

 デパートのスタッフも、若手に入れ替われば入れ替わる程、ワーキングメモリー(作動記憶)と短期記憶力が著しく下がっていっている。これは私が出会った人達のたまたまレベルではなく顕著な傾向。

 例えば「商品Aの色3番をください」と言うと、「商品Aですね。何色かありまして、お色は何色がご希望ですか?」と問われ、もう一度「3番です」という具合。

 これはメモを取らないと仕事に支障を来す。

 三越・伊勢丹のエムアイカードで支払う場合、消費税分とポイントで支払った分には新たにポイントが付かないため「消費税をポイントで支払う」のが最もお得で定番化しているらしく、スタッフにすすめられた。

 それ以降私も常にそうしているんだが、支払いの際カードを出して「消費税をポイントで。残りを一括で」と伝えると、「消費税分をポイントでお支払いですね」と言いながらレシートに記しを付け始めると「残りのお支払いはいかが致しましょうか?」と聞いてくる。

 最初の頃はもう一度「一括で」と応えていたが、最近は近くにいる“覚えてられそうな”顔をしている他のスタッフの方を見るようにしている。するとそのスタッフは「“消費税をポイントで。残り一括で”と最初におっしゃいました」と当該スタッフに伝える。

 聞こえているし、聞き取れているし、私の「言ったつもり」でもない。

 問題はここまでワーキングメモリーが低いと、最初の言葉しか記憶ができないので、メモも取れない。よってこっちが相手のメモのスピードに合わせて喋るしかない。

 「消費税をポイントで」→相手がメモが終わる→「残りを一括で」→相手のメモが終わるまで他のことを喋らない。

という具合。

 この手のタイプの人に「ギフトラッピングをお願いします」と伝え、ラッピングが終わる前に「何かこのラインのおすすめのサンプルを付けてください」なんて言うと、サンプルはほぼ100%の確率でつかない(笑)。

 あと、電話を必ず2回かけてくる人が一定数いる。1回目はさっさと用件を喋って切ったかと思ったら直後にまたかけてきて「伝え忘れた」「聞き忘れた」と。こういう人は電話をかける前に喋る内容をメモにまとめた方が良い。相手に迷惑をかけるから。プログラミングや細かい数字を追いかけている業務の人にとって、作業を中断させられることは生産性の低下に直結するから、相手の損失を補填するお金を持っていないなら、迷惑をかけない努力をすべき。

 脳の機能性(記憶力含む)はウェクスラーなどの知能検査が示す通り標準正規分布に沿った形で階層化されているので、

●メモを取らなくて良い人

●重要なことはメモした方が良い人

●日常的にメモを取るように心がけた方が良い人

●メモを取らなければ相手に迷惑をかける人

●メモを取るのも困難な人

とに分類され、多くの人にとってメモは重要な意味を持っている。

 もちろんホリエモン氏がその層を相手に語っているのではないことはわかっているが、世間では思いのほか知能(の一部領域=作動記憶、短期記憶)の低下が進んでいるように感じる。

 ホリエモン氏の言う「メモしなければ忘れることは重要ではない」は私も常にそう思って生きてきたが、これが真なら前述の人達は「顧客(相手)のことなんて重要じゃない」ということになり、企業側も雇う価値がない。と言ってリストラしていると、信じられない数の失業者を産むことになるだろう。

 というわけでメモを取らずに済む人とは優秀な人。そういう人にとっての「当たり前」ができない人達が増えていて、所得格差と同様に知能格差も広がっていると私は感じている。

 ついでにまとめると、学歴とは何かと問うならば、賢さを測定しているかどうかはワカラナイが、少なくとも読んで理解する力(読解力)と記憶力は確実に測定されていると言える。