ウクライナとロシアの行方。

 私の周りは日本人よりウクライナ人、ロシア人の方が多い。彼女達は「戦争はない(考えられない)」と言っていて、親子・兄弟げんかという感覚。

 ロシア側も「戦争はしない」と一貫して主張しているため、その言葉を信じるならば、あれだけの軍隊(すなわちコスト)を動かし、一体どういう戦略なのかプーチン大統領はと非常にしばしば意見を求められる。

 国境沿いに軍隊を集めたら、普通は戦争準備だと構える。西側なら「ただの準備運動」に無駄なお金をかけないから。

 ウクライナはNATO非加盟なので、いわゆる西側はウクライナ防衛の義務がない。

 よって「戦争の準備が始まっている」と見なしている西側は大使館員国外退去など、早々にトンズラする。

 「大使館員が退去」と聞くと民間も焦るので、まず飛行機が止まる。流れ弾(ミサイル)に当たったら大変だから。マレーシア航空機の前例もある。

 ※ウクライナが経済大国なら簡単には飛行機は止まらないという微妙なパワーバランスを見極める必要がある。

 飛行機が止まると、経済的弱者であるウクライナは孤立する。EUやシェンゲン協定に加盟していない上、旧ソ連国ということもありパスポートも弱い。よって「外」との関係が断たれる。

 すると国内経済が冷え込み、買い溜め・買い占めなどのパニックが起こり、内側から現政権(親西側)への不満が噴出する。

 そこでロシアのSVRは現政権反対デモを工作する。ウクライナ人によるウクライナ政権への反対デモとして。

 訴えかける内容としては、「西側は起きもしない戦争にパニクってすぐさまウクライナを見捨てて出ていった。真に頼れる国は一体どこか」と、親ロシア政権誕生へと画策する。

 そしてプーチン大統領が唱える「ロシアとウクライナは昔は1つだった」が実現する。

 その後ロシア軍は撤退する。または「ウクライナ防衛のため」に残すのもありだろう。

 ロシアが「戦争はしない」と言った言葉は本当であり、「ロシア軍のウクライナ侵攻」とか「戦争間近」とか、全ては「西側の嘘」(又は勘違い、思い込み)だったということになる。

 その結果、西側が誤情報に基づきとんでもないパニックを引き起こした=情報テロだと矛先が変わる。イラク戦争の「大量破壊兵器」のソレになぞらえて。

 そうすれば、「一度も嘘を付いてないロシア」は、一切血を流さずにウクライナを親露へ転換させることができ、領土を侵攻しなくても政治ゲームに勝ちウクライナが得られることを証明する。

 すなわち最も賢いのは誰かという頭脳戦の勝者になろうとしてるんじゃないか、プーチン大統領は。

 これは飽くまでもし私が現状まで駒を進めたプーチン大統領の立場ならという推定であり、西側インテリジェンスの情報が正しく、数日以内に侵攻が始まる可能性もある。

 ただロシアは必ずしも今すぐウクライナが欲しいわけではなく、「西側の情報はあてにならない」と世間にみせしめ、「CIAやMI6の言うことなんて信じるな」と各国首脳へ知らしめ西側を分断させることが目的かもしれないという視点も必要だと私は感じている。

 それが成功すれば、ドーピング問題からアメリカ大統領選介入問題、そしてノビチョク問題まで、全ては“西側エージェント”の策略だと仕向けることができ、「ジェームズ・ボンド」と聞いて笑いが起きる日が近い事を意味する。

 あまりにもお金がかかりすぎているが、中長期的な政治戦略としてはアリじゃないか。

というのが私の見解。