西側諸国は、NATOに加盟していないウクライナを守る義務はないにしても、最低限ウクライナ大統領の護衛に尽力していただきたい。せめてものブダペスト覚書の履行として。
ロシアとしては、ウクライナ大統領が国外逃亡してくれればウクライナ国民に対し「大統領はあなたたちを見捨てて逃げていった。真にウクライナを想う大統領を選びましょう」と持っていくことができる。その場合、親露派の暫定政権樹立という流れになるだろう。
その狙いがわかっているからこそゼレンスキー大統領は最後まで残るので、ロシアとしては彼を捕まえ「東部でロシア人を大量虐殺した戦争犯罪者」としてロシアで戦争裁判にかけ、ロシア国内の刑務所に送る考えだと思われる。
だから何が何でも捕まるわけにはいかないし、逃亡もできない。
が、ウクライナの軍事力ではそう長く持たないので、ゼレンスキー大統領を守らないとプーチン大統領の思惑通り「旧ソ連復活」の一歩となる。
当然にウクライナ政府機能をNATO加盟国である隣国ポーランドに移すなどの案も出ていると思うが、ゼレンスキー大統領としては士気を高めるためにもウクライナから出ず国民と共にいたいだろう。
私が知るウクライナ人の愛国心と気質を考えると、最後まで諦めない。国民総出で命をかけて戦い続けるので、ロシアが軍事的に制圧したところで統治はできない。
長く親子(兄弟?)関係にあったロシア側もソレは当然に理解しているはずなので、後々のことを考えできるだけ民主的に見える方法で親露派新政権を立てたいとするならば、(縁起でも無いが)さすがに大統領暗殺はないと思いたい。
ということから、ロシアとしては怖がらせるだけ怖がらせてウクライナ大統領の降伏か逃亡を望んでいると考えられる。
それが見込めない場合はゼレンスキー大統領を捕まえることが目標となり、本人が出てこなければ家族が狙われるかもしれない。
或いは既に占領しているチェルノブイリ原発が人質(モノ質?)として使われるかもしれない。
ヒトとは残酷なもので、ウクライナに留まらず欧州全体にも被害が及ぶとなれば、「戦うことよりも降参したら?」と平気で考えるようになる。言ってみれば「あなた一人の命と引き換えにウクライナと欧州が救えるんだったら」というトロッコ問題そのものを検討するようになる。
ウクライナには手持ちのカードが少なすぎる。
それが見ていて辛い。
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