(軍事力は圧倒的に上回っているはずなのに制空権も獲れないことを)「(正規の)ロシア軍はシリア戦で出払ってる」と国内向けに説明してみたり、アフリカの傭兵を買ったり、侵攻前カザフスタンに参加を呼びかけたり、(「お金がない」とは言えず愛国心を煽り)ボランティアを募ったり、「徴集兵は派遣しない」と断言した翌日には捕虜となったことを認めざるを得なくなったり。
ソ連崩壊時と同じように、「強い強いと言われていたものの、いざ蓋を開けてみたら」というところじゃなかろうか。
GDPと軍事費から見れば、そんなに急激に強くなれるはずがない。GDPでロシアを大きく上回る先進国が順当に兵器・装備を最新のものに入れ替えてきたソレに追いつき追い越すのは簡単じゃない。
もちろんウクライナの経済規模は比べものにならないほど小さく、しかも貧乏な国なので、途方に暮れるような差があり、プーチン大統領は「ウクライナくらいは余裕」と思っていた可能性が高い。
それがあだとなり、むしろロシア軍のしょぼさを世間に知らしめている感がある。
全体として、天性の“はったり”でやり過ごしてきたプーチン大統領の粗が目立つようになってきた。
問題は西側から「ロシア軍って大したことないよね」と思われるのがプーチン大統領にとって国防上もっともリスクが高いため、圧倒的な軍事力を見せつけようとするだろう。
結局のところ、(私が読んだプーチン大統領の生い立ちから推定すると)常に思考の根底に「コンプレックスの解消」があるため、何が何でも自分が勝ったように見える終わり方じゃないと気が済まないというどうしようもない問題がある。ましてや経済的にも軍事的にも貧弱なウクライナに負けた(勝てなかった)なんて堪えられないだろうから、ロシア国民が無一文になっても、更には借金をしてでも(中国に将来分の石油・ガスを前金で安値で売ってでも)攻め続ける可能性がある。
ギャンブルで破産するまで続ける人達と似たような心理状態にある。いわゆる中毒・依存症状。
そんな大統領を選んでしまったロシア国民にも責任があるのは教科書的に言えば確かだが、酒飲みエリツィン大統領が使い物にならなくなって代行として引き継がれ、気がついたらプーチン大統領が誕生していて、その後の選挙は全ていかさまという流れで来ているので、ロシア国民が選んだかというとそうでもないから気の毒でしかない。
話は戻って、仮にウクライナがロシア軍を撃退したとする。ゼレンスキー大統領の勢いからすると、そのままクリミアを取り返そうとし、再び戦争が始まるようなことにならなければ良いが。
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