「ご足労」とは。

 読んで字の如く、足を使うこと。「労」は働くこと。疲労の労。

 手は使ってない(笑)。

 「ご足労をおかけし〜」は、「わざわざお越しいただき(足を運んでいただき)〜」という意味のもので、足は運んでいないが手間をかけたというときは「お手数をおかけ致しました」を使う。

 字のまま。

 が、全部に「ご足労」を使う人が一定数いる。

 最近、あるブランドのデパート内ブティックで「この商品はありますか?なければ取り寄せ可能ですか?」と尋ねた際、「本店のみの専売品でして、デパート店舗にはお取り寄せができません」と返ってきた。

 もう1つのデパート内ブティックにも聞いてみたが同じ返事だったので無理なんだろう。

 で、1円も使ってないんだが喋ったことはある程度(笑)の本店のスタッフにメールで可否を尋ねたところ、その日のうちにデパートに商品を回す手配をしてくれた。

 その連絡を受けたデパート側の店長が電話してきて「ご足労をおかけし〜」と言うので、「あれ以来行ってませんよ」と答えたところ、「あっいえ、私どもができない商品のお手配までしていただいて・・・、ご足労をおかけし〜」と返ってきたので、「メールを送っただけで、私が運んだわけでもありませんし(笑)」と言うと「いえ、そんな、そんな。いろいろとご足労をおかけ致しました。本店より商品を受け取り次第ご連絡させていただきます」ときた。

 「お手数」を「ご足労」と言ってるのかこの人はと気付いた。

 今回のケースの場合、私が聞き流せば済むことだが、「行った」「来てない」の争いになった時にこの言葉を使うと更にこじれるから、客商売の人ほど気をつけて使い分けた方が良い。