エルメスで「バーキンありますか?」と尋ねると、ほとんどの場合「確認してきます」「申し訳ございません」となる。ロレックスも同じ。
名前も電話番号も伝えてない状態で、スタッフは購入履歴を参照していない(しようがない)。普段行かない店舗だとスタッフもこっちの顔をしらないので尚更。
エルメスブログを読むと、それなりにエルメスで買い物しているにも関わらずいわゆる“塩対応”されて涙をのむ人が多い様子。もし他店舗の上得意客に“塩対応”なんてしようものならどうなるのか。とこっちが見ていて不安になる。
ロレックスの販売店のように、ロレックスジャパンから仕入れて販売する法人が複数あり、例えば三越・伊勢丹と高島屋とではブティックの運営法人が異なるので、三越・伊勢丹のロレックスブティックで何千万円使おうと、高島屋のロレックスブティックが「いつもお世話になっております」とはならないのはわかる。厳密には自社顧客ではないから。それでも客が他店舗で買ったロレックスの時計をしていれば、ロレックス製品を販売する者の立場として「ロレックス製品をご愛用いただきありがとうございます」という挨拶をするのが社会通念上のマナー。実際にそんな感じ。
エルメスの場合は全店舗エルメスジャポンの直営なので、A店舗の上得意に対しB店舗が“塩対応”しても良いことにはならない。よって本来はエルメス製品を身につけた客が来ればどこの顧客だろうと「エルメス製品をご愛用いただき誠にありがとうございます」となりそうだが、オモシロイことにエルメスは違う。
A店舗で買った商品を初めて行くB店舗に身につけていっても無反応(笑)という、他のブランドでは考えられないエルメス独特の接客スタイルがある。最近この観察が楽しい(笑)。
同じハイブランドでデパートポイントを付けないようなお高く止まった系(笑)でも、シャネルは15年前のちょっとマニアックなアクセサリーを付けていけばソレに気づき悲鳴(笑)をあげるし、Aブティックで買ったティファニーのサングラスをかけてBブティックに入れば、店内を歩いているだけで「サングラスご愛用いただき〜」と言われるし、Aブティックで買ったカルティエのベルトを着けてBブティックに行けば「ベルトご愛用ありがとうございますぅ」と声をかけられるし、Aブティックで買ったヴィトンの靴を履いてBブティックに行けばすぐさま「シューズありがとうございます」と声をかけられる。財布でもカードケースでもどんな小物でもそこまで見てるのかというくらいすぐに気付き声をかける。そして誰もが名刺を出してくる。
お高く止まってない系(笑)のフェンディやディオール、バーバリー、サンローランなどでは大歓迎される。それどころか何年も前に違うブランドから転職してきたスタッフさえも「以前●●で働いていたんですー」と声をかけ、前のブランドで買った品さえ褒めてくる(笑)。
これが普通。
しかしエルメスは無反応(笑)。
店舗間が遮断されているような印象がある。
一般的な商習慣から見れば、「接客がなってない」と客から批判されるだろうものだが、ブランドイメージを重視するエルメスジャポンがそんな低レベルなミスをするとは思えない。
エルメスの販売員が他のブランドと比べて著しく注意力散漫であるとか観察力に欠けるとかコミュニケーション能力で劣るとも思えない。喋った感じでは人材レベルは余所のハイブランドと差はない。
高額な買い物をする客達は当然古典的な接客を受けドヤ顔するつもりの人が多いだろうから、エルメスの接客に対する批判は山ほど届いているんじゃないかと思うが、敢えてそのスタイルを貫いていることを考えると、顧客に対する社会通念上のおもてなしよりも「購入履歴を見てない」「顧客かどうかで判断しない」アピールが優先されていると考えられる。
スーパーコピーに悩まされているエルメスにとっては、全身エルメス製品の客が来ても全部偽物かもしれないので(笑)、偽物を褒めて「エルメス店員は偽物を見抜けない」なんてネタにされても困るだろうし、また転売業者または転売リスクの高い客かもしれないから、履歴を見て正規かつ優良・善良な顧客だと判明するまで触れたくないというのもあるかもしれない。
が、このやり方は正規ブティックでしか買い物しない正当な顧客にとっては、かなり顧客満足度が下がる。
それをわかっていながら、顧客満足度よりも経営上優先順位の高いものがあるとすれば何か。
それは以前書いた抱き合わせ販売抵触リスクを考えてのことかもしれない。
購入履歴がなくても、在庫があればバーキンを販売しますよというアピール。言って見れば客を見かけで判断してないアピール。転売リスク判定とは矛盾するんだが、そっちは顧客フリー分に適用されるルールだろう。
スーパーフリー(購入履歴なしでも買える)のバーキンを一定数販売しないと抱き合わせ販売と見なされてしまうことを懸念しているとすれば、スタッフが先に他の店舗分も含めて購入履歴があることを知ってしまうと、その客はスーパーフリー対象外になると考えられる。
ということから、スーパーフリーを出す上で一切何の顧客情報も参照していません(持ち物も確認していません)という公平性をアピールするために、エルメス製品を身につけていても、明らかに自店舗で買った物だと判断できない限り(大方売った販売員)気付かないフリで通す的な。
ここまでの見立てが正しければ、スーパーフリー狙いのエルパト組は、エルメス製品を身につけず、普段行かない店舗に行った方が良いということになる。
※購入履歴のある客には顧客フリー分を割り当てる必要があり、スタッフが購入履歴を確認するのは何かを購入し購入履歴に登録する時だから、顧客フリー分目当てなら何か買って支払いが済んでから「バーキンありますか」と聞く必要がある。
購入履歴を見てないアピールで、余所の店舗のナンバーワン顧客だろうと観光で今日始めた来た客であろうと同じ条件だという公平性を示すことができる。要は「お金を使わないとバーキンを出さない」と批判されることに対する策。
で、実際に宝くじ的に出てくるスーパーフリーは、購入履歴に関わらず購入権が“当たる”という仕組み。
そこで“当たった”人が購入に至り、いざ会員情報を参照したら既に顧客だったという場合、エルメスは「購入履歴なしの人にも売った」という事実が残せないので、再びスーパーフリーを初めてっぽい客に売る必要がある。と考えられる。
すなわち顧客フリー枠を消費する必要があるところで、スーパーフリー枠を消費してしまった状態。
※顧客フリー分も「130万円使ったら130万円のバッグを紹介する」(1:1説)と固定してしまうと抱き合わせ販売抵触リスクが高まるため、恐らく固定基準はないだろう。
ということから、全身エルメスだったり、今季のエルメス製品を身につけていると、「この客見たことないな」「うちの店舗の客じゃないな」「余所で既に顧客だな」とみなされ、スーパーフリーの対象外となる可能性がある。
という見解。
ただし、スーパーフリーという位置づけのものが本当に存在すればの話であり、余所の店舗のVIP顧客だろうと旅行客だろうと全身偽物客だろうと(笑)無作為に出すものをスーパーフリーとして扱っている可能性もあるため、今回の見立ては飽くまでスーパーフリーと顧客フリー枠を個別に設けているならばという前提に立っている。
で、私のファーストバーキンはどうやらただ待ってたら良い様子だが、そのまま構わず買い進めようか、“リクエスト”後は1円も使わずに(笑)待つのか迷ったが、チビチビと買い進めることにした。
次回以降、そろそろ核心に迫りたい(笑)。
その“核心”とは、私のプロファイリングではエルメスは担当制ではない(笑)。
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