今回はただの「仮に」「例えば」の話で、実際に採用されているか否か何の情報もなく、一般的な営業・販売管理の流れとしてはあり得るという推察なので参考までに。
枠ありバッグを出す・出さないの判定に、ある日から現在までの経過月数×12ヶ月(いわゆる単純移動平均法)で年間の「見込み売上」を用いる方式。
例えば私の購入履歴では、直近5ヶ月分を合計し、5で割って、12をかけると680万円と出る。年間購入予想額。直近4ヶ月分で計算すると710万円、直近3ヶ月分だと840万円と出る。
購入のペース或いは金額が加速していることがわかる。すなわちアクティブ。よって私の場合今現在は直近3ヶ月分で見てもらう方が期待されやすい。
かといって予測は予測でしかなく、実際にその買い物ペースがずっと続くかなんてワカラナイ。熱しやすく冷めやすい人もいる。が、年間購入額が同じ人でもバッグが出る・出ないの差があるということは、何かしら世間の認識と算定基準が異なると考えてみた方が良い。
※ブログやSNS等で自主申告される年間購入額が「嘘」でない前提で。
枠ありバッグの区切りは年始〜年末だが、購入実績がもし元旦からゼロスタートだとすれば(年末に誰も買い物しなくなるので、ソレはあり得ないんだが)、01月に爆買いすれば偏差値(相対的優位性)が上がることになる。要は誰よりも先に基準額使った方が勝ちという短距離走型。
が、私は年初にケリーが出るほど買い物していないので、参照される購入実績は年始〜年末の単純な合計額ではないと考えられる。同じく「前年分合計」でもないだろう。私はそんなに買い物してないから。
私の推察では端末で確認できる2年分も考慮しながら、最も重視されるのが直近3ヶ月分の指数平滑法。全体(傾向)を見つつ直近重視の定点観測というハイブリッド型。飽くまで現在は。昔のことは知らない。
※後述するが似たようなアルゴリズムがSNSのアクティブ度の算定にも採用されている。
前稿に書いた通り、時間あたりの密度(顧客数、買い物回数、売上)が高まっているので、大口ではあったとしても1年に1回や2回しか来ない客の売上を待って誰にバッグを出すかなんて判定していられない。必然的に先に基準に達した顧客から順に出すため、先着順に等しくなる。その結果本来は買えるはずの顧客がモノ不足によって買えなくなる。
※言うまでもなく自分の分をオーダーできるような人はまた別の話。そもそも別枠だから。
冒頭に書いた「流れとしてはあり得る」とはどういうことか。
顧客数が増えてくると、スタッフの記憶力頼りでは限界があり、多くの企業が販売支援システムを導入する。
1回の買い物は大きくてもたまにしか来ない客よりも、1回の買い物は小さいがよく来る客の顔の方が覚えやすく、心理的に「常連客」と見なされやすい。前者は当該顧客と会ったことがないスタッフの方が多く、下手すると「アンタ誰」(笑)となる場合がある。
1人の担当者にこびりついている(笑)ような顧客は、担当者の異動・退職で突然アウェーと化しかねない。
という具合に、ヒトの記憶や感覚に頼っていては、上得意を見誤ったり商売の基本に反して失礼な対応をしてしまう可能性がある。
それに累計購入額(年末でリセットしない)を、直近12ヶ月分とか、スタッフ端末で確認できる2年分とかを、毎回手計算で確認したり、エクセルで手入力していくのも大変だし漏れが生じやすく、何よりも手間がかかる。
よってエルメスが定める期間における累計購入額が自動表示され、枠ありバッグの販売基準を満たしている・満たしていないが一目でわかる販売支援機能があるだろうと考えられる。
※当初から書いているAIによる「バーキンゴーランプ」(笑)は基準に達しましたよサインで、この推察システムの代表的機能。
で、ココでは転売リスク査定とか、客の印象(店から見た好き嫌い)とか、はっきりしない要素は全て捨てて、購入額だけで考えるとする。
そこでタイトルに書いた「見込み売上」をベースに単純計算で考えてみよう。
エルメスは四半期(三ヶ月)毎に購入額に応じて枠ありバッグを出すと仮定する。ココでは例としてバーキン販売基準を年間利用額300万円とする。
例えば、01月:30万円、02月:20万円、03月:50万円と買い物し、現在04月だとしよう。
直近3ヶ月の月平均購入額は約33万円なので×12ヶ月で約400万円/年と予想することができ、これを「400万円/年見込み客」と見なせば基準である年300万円を超えるため、早めにバーキンが出てくるかもしれない。
こういった予測システムを導入した場合の「かもしれない」という話。
※参考までに、SNSでは投稿直後のいいね!やコメントなどのアクションが活発な方が「盛り上がっている」と見なされ、時間はかかりつつも最終的な合計では同じ数のアクションが得られた投稿よりも高く評価するなど「タイムリーさ」を重視するアルゴリズムが採用されている。
では四半期に1回しか買い物しない客の場合どうだろう。
01月:50万円、04月:100万円、07月:150万円、10月:100万円
と買い物し、同じ合計400万円/年を使ったとしても、03月末で締めた時点での月平均は16.66万円。×12ヶ月で200万円/年と予測され、年300万円に満たないため04月にバーキンは出ないかもしれない。※年の後半になると追いついてくる。
よって採用される予測モデルの締め日次第では最終的に同じ額使った客でも、途中経過でのステータス(評価)が異なる可能性がある。
人々がブログやSNSで他人の年間購入額を知るのは前年分(暦上の合計であり、移動合計ではない)がほとんどなので、同じ金額使ってもバッグが出る・出ないの差があるよう見えてしまう。
という可能性がある。
で、プログラマー目線で、この仕組み(があれば)を逆手にとって例外エラーを発生させてみたい(笑)。
01月:100万円、02月:150万円、03月:150万円と買い物すると月平均が133.33万円なので、×12ヶ月で1,600万円/年と予想される。
見込みVIP顧客と化する(笑)。
で、04月にバーキンが出てきたらその後1円も使わず(笑)、また翌年同じことをする。使う額は前述の2パターンと同じ400万円/年。
※ただしバーキン以降買い物をしないので、「直近3ヶ月の購入額」(移動合計)等で見ると年の後半では実績「0」となり、バッグが出ないことになる。
世の中こういう出来の悪い駄作システムは非常に多い。エルメスもそうだと言っているわけではなく、指数平滑法や加重移動平均法を採用すると、年の後半になった場合この手の客は無事シカト(笑)されるので、私の予想では指数平滑法。
一般的に新規システム導入初期はバグと問題だらけで、年々修正され最適化されていくもの。
システム化されると、そのシステムに対する「適合系」(好相性)が生じるため、転売業者などが数学者を雇って分析させ「シカト回避購入法」(笑)を編み出したりするのが世の常。
どの業界も、競争が激化するといずれは知能勝負になり、一般消費者は蚊帳の外ということが起こる。
消費者は「公平・不公平」とか販売員との相性など感情的に受け止めがちだが、実はシステムによる機械的な査定基準との相性だったりすることが近年多々ある。クレジットカードのセキュリティ判定はその筆頭。
また以前にも書いたが、過去の転売判明事例から、転売屋の購入パターンと照らし合わせて「転売リスク高」と判定するなど、バックエンドでモニタリングAIが稼働している可能性は非常に高く、その結果は通常は販売支援機能に反映されるものなので、こういった算定式があるんじゃないかという考えに至った次第。
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