物理的な面積の話じゃなくて(笑)。
昨年10-11月、エルメスで買い物を始めたばかりの頃、年配の女性スタッフにあたった際に「○○はこれから入ってくるかと思います」と言われ「予約はできますか?」と尋ねると「申し訳ございません」と返ってきた。
理由は極度の品不足で、店頭に展示する物が全くない状態になりつつあるからということだった。
確かに入荷しても「誰々の予約分」だと右から左へ。
欲しくても買えないどころか商品を見たことさえないままシーズンが過ぎてしまうと「本当にエルメスの○○って存在するんですか」とか言い出す人が出てきかねない。
が、そのスタッフともう1人のスタッフが同じことを言ったにも関わらず、他のスタッフは皆サクサクと予約を受けてくれて、それらの商品全てが手に入ったことで、無事にバーキンまでの購入額を積み上げることができた。
で、この1-2ヶ月で何度か似たような興味深いシーンに遭遇した。
ある品について出遅れてしまった際、当該店舗で取扱自体はあるが、もう次いつ入ってくるかワカラナイため予約を受けられないと言われた時。
私はいつもの調子で構わず「では入荷次第連絡待ってますねー」と、「無視」という“圧”をかける(笑)。
で接客スタッフAは、別のスタッフBのところに行き何やら話し始めると、Bがこっちをチラッと見て「いいよ」顔をし、Aは頷きつつBに「ありがとう」という表情を見せる。
戻ってきたAは「予約お取りできました」と微笑む。
見た感じ上司とかそういうのではなく、恐らくBがそのカテゴリの仕入れ・在庫管理担当者なんだろう。
他のカテゴリにおいても、接客スタッフがスタッフC、Dに聞きに行ってOKということが3回ほどあった。
要はバーキンもケリーも出てくる客になろうとも決まりは決まりのようだが、店内で商品を取り合う中、仕入れ・在庫管理担当者さえ許可・承諾すればというところがある。
そこで他力本願な客は「接客(販売担当)スタッフの力次第」と考え、「店長やマネージャークラスじゃないと」という方向に思考が傾くんだと思うが、前述のスタッフBがこっちをチラッと見て「いいよ」「何とかする」と言うのか「無理」「ダメ」というのかにかかっているので、全ては客(自分)次第だと私は感じている。
スタッフBだろうとC,Dだろうと断れないほどお金を使いその店舗における重要顧客になるか、「あー、あの客のならいいよ」と言われる存在になるか。
すなわち存在感次第。
どのスタッフも自分の客にいい顔したいので、仕入れ・在庫管理担当者は“社内営業”に疲れてくる。そしていずれ「ダメ」が基本になる。
そういった時「□□さんがどうしてもって」「□□さん?ちょっと待って。あっ何とかなるかも。いいよ」となるには、とにもかくにも「□□さん」で通じる必要がある。
「誰それ?」だと話にもならない。
この点の何が重要かというと、エルパト業界が好む通称「担当さん」だけを盲目的に追いかけていると、そのスタッフが退職・異動した途端店内に冷たい風が吹くかもということ。
心中型。
予約もダメ、取り寄せもダメ、定員ありのイベントにも呼ばれずとなってしまうと、バーキンやケリーまでの購入額を積み上げること自体が困難になってくる。そこで大して欲しくない物を買い始めると、買い物自体が楽しくなくなり「買わされてる感」=被害妄想→鬱というレールに乗ってしまう。
自分の接客をするスタッフ1人で店を切り盛りしているわけじゃないので、店内全体の協力(好意的な融通)が得られないと、エルメスで欲しい物(バッグに限らず)を手に入れることがますます困難になってくるんじゃないかという気配を感じる。
ということから、“点”(細部)の分析と同じくらい、全体の観察も重要だと言いたい。
まっ、これはエルメスに限ったことではなく、ビジネスでも多くの人の協力が得られないと上には行けないので、本来150万円もするようなバッグを欲しがる人というのは、その辺も良く分かってるはずなんだが。
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