伊勢丹新宿本店は、こうした超富裕層・富裕層、なかでも30〜40代の“新富裕層”の囲い込みに成功したとみられる。実際、伊勢丹新宿本店の2021年度の買い上げ上位顧客5%による買い上げシェアは50.9%(2020年度は47.7%)に上昇。さらには49歳以下の外商購買額シェアが5.3ポイント増の28.9%(2020年度は23.6%)となり、外商顧客の若返りも進んでいるのだ。
上位顧客5%が全体の売上の50.9%を占める。興味深い。
上位20%まで拡げたらパレートの法則(=上位2割の売上が全体の8割を占める)に近づくだろうか。
アメリカは上位1%が富の50%を持っていると言われ、日本の所得税は上位約2.5%が半分を担っている。
最新の伊勢丹新宿本店の2022年度の売上高は3,276億円なので、その半分の1,638億円を上位5%の顧客による消費なのかと考えるとあっぱれ。
外商ブームも気のせいではなさそう。
経営の効率化・合理化を考えると、上位5%の顧客のみに絞って残りの95%を捨てることで、売上は半分になるが、その分従業員数を減らせるため、利益率は上がるだろう。
一方で、数さばいたほうが(95%側もとりにいった方が)スケールメリットによるコスト削減が期待できる場合もあり、土地代などの固定費との兼ね合いも含め、その境界を慎重に見極める必要がある。
これからの日本に訪れる急速な人口減に対応していく上で、インバウンド需要で“数”を補うか、コンパクト(少数精鋭)で的を絞っていくか。
デパート各社がどう舵を切っていくのか興味がある。
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