エルメス客はどこまで担当者を信じることができるか。その1。

 エルメル業界におけるいわゆる「担当さん」ほど危うい存在はないと私は思っている(笑)。

 参戦前に情報収集した際も、まるで担当者を愛しているかのような語らいを度々見かけ、これは宗教なのか妄想なのか、はたまたこれこそが現実なのかと幾度となく考え込んだ(笑)。

 いわゆる“実績”は店舗毎だとわかっていながら、それでもいずれは異動・退職するだろういちスタッフに馳せる想いとは、依存心なのかそれとも愛なのか。

 では現実に戻って、どこまで担当者を信じることができるかというのが今回の考察。

 『エルメスの“実績”をポイント交換制度に置き換え考えてみる。その2』において、

 1年目前半350万円の買い物→バーキン150万円購入(ポイント残200万)→後半350万円の買い物→バーキン150万円購入(ポイント残400万)で年末を迎える。

 残400万あれば2年目のバーキン2個またはケリー2個、或いはバーキンとケリーを1個づつのリクエストが可能だと考えられる。クロコだと足りない。

と書いた。

 このポイント交換制度(全く何らこれが正しいという情報はなく、仮説でしかない)をベースに今回も考えてみる。

 前述のペースで買い物を進め、

 1年目前半350万円の買い物→バーキン150万円購入(ポイント残200万)

の1枠目消化時点で、担当スタッフに対し「クロコのバーキンが欲しい」という話をしたとする。

 クロコのバーキンの定価が600万円だとすると、

 後半350万円の買い物→バーキン150万円購入(ポイント残400万)で年末を迎える。

というペースでは今年はもちろん来年前半も用意することはできない。

 ※年に2回リクエストバッグのパリオーダーを行うという前提で考えていて、いつ希望を伝えたかとリクエスト(パリオーダー)締め日は非常に重要な関係性にある。

 そこで担当スタッフは、もしこのままのペースで買い物が続くのであれば、当年の2枠目を出さずに(ポイントを消費せずに)、ポイント残550万で年末を迎える方が、来年の前半あたりにクロコのバーキンを用意できる基準を満たす可能性が高いと考えたとする。

 ※言い換えると、自分(客)が今イチバン欲しい品はどれなのか(優先順位)を常に明確に意思表示しないと希望しない展開になりやすい。

 エルメスとしては枠バッグの基準は非公開なので、当然に担当スタッフはなぜ2枠目を出さないのかの説明はできない。

 しかし担当スタッフの顧客愛と苦渋の決断も虚しく、世間のエルメス客はそこで「担当さんが2枠目を用意してくれなかった」と嘆く(だろう人達で溢れている)。終いには「担当(または店舗)を変えた方がいいかも」的な。

 まぁこれを「すれ違い」と言うのかもしれないが、まずは信じるのか信じないのか決めろと私は思う(笑)。「信頼関係」の最初の段階。

 で、最終的には中高生の恋愛のように見当違いな思い込み・勘違い・被害妄想で自ら関係を壊すという流れが一般化しているように見える。

 私はスタッフとか店舗を疑ったことがない。考えつきもしない。

 1年目さっさと2枠消化したから疑ってるヒマもなかったんだろうと言えば実際その通りだが、信じないと待てないし、待てないと余計なことをして自滅するのが世の常なので、私は疑うくらいなら余所(または他のスタッフ)で買うし、信じると決めたら信じる。思い通りにならなかったとしても、一切責めもしなけりゃ勘ぐったりもしない。

 ま、要は相手を信じると決めた自分の決断を信じられるかということなんだが。

 結局のところ、ヒトとは似たもの同士が引き合うようにできているので、エルメスに限らず思うように上手くいかない時とは、そもそも上手くいく自分じゃないと私は思っている。

 というわけで、パート2を予定していて、前述の「いつ希望を伝えたかとリクエスト(パリオーダー)締め日は非常に重要な関係性」についての考察を披露したい。