「グッチの衝撃、中国での販売急減-高級品業界で消費減速の影響顕在化 - Bloomberg」

 中国市場が減速しているのは事実だと思うが、グッチというブランド自体の限界もあるんじゃなかろうか。

 私の中では15年くらい前から、グッチはいわゆる田舎モン向けブランドのイメージがある。

 ヒアリングしてみると実際世界共通でお上りさんブランドという印象が強い。

 いわゆる「みんな知ってる」ブランドを買いたがる心理で選ばれるブランド。

 ただ、数で言えば首都以外の人口もバカにできず、日本で言えば89%が東京以外なので、市場としては大きい。

 記事にある「現金の使い道について以前よりも選別色を強めている」とは、先行組がこの5年ほどで急速にブランド品購入をシャネルやエルメスに絞り、後追い組がグッチなどの“過去の”(言い過ぎか)ブランド品を買っていたところ、景気が傾きいざ売ろうとすると二束三文で「役に立たん!」という状況にあるように見える。

 では高級ブランド品が総じて値崩れするのかというとそうではなく、バリバリと消耗品として使い倒すほどのお金の余裕はないが、それでもブランド品は欲しいという人達(中流層)が、いざとなったら換金できるものを選ぶようになる。

 その答えがエルメスだろう。

 シャネルも追いかけてはいるが、バーキンやケリーほどの価値を築けていない。

 というわけで、日本の人口の10倍もいる中国人の消費活動が低下すれば、在庫過多になることで価値を失うブランドは多数出てくると思うが、ますます富裕層(本来のハイブランド市場対象客)はよりいっそうエルメスに集中すると予想する。

 すなわち引き続きエルメス製品は手に入りにくいという見立て(笑)。