以前、一般的と言われる物価上昇率(年)が2.0%の場合、35年間でモノの値段は2倍になり(*1.02を35回)、
フランスは直近2年間は5%/年を超えているので、このまま続けば15年後にバーキンの価格は2倍(300万円)になる。
と書いた。
※物価は基礎的な存在であり、贅沢品類の値上げ率は通常その上昇率を上回る。
今回のエルメスの値上げはバーキン25cm(トゴ)が147万円→174万円なので18.367%の値上げ。
仮に今後年1回同じレベルの値上げが続けば、バーキンの定価は、
2025年:204万円
2026年:242万円
2027年:286万円
2028年:339万円
2029年:401万円
2030年:475万円
2031年:563万円
と推移することになり、4年後に300万円を超える。
バカバカしくてついていけないと思われるだろうか。
バカバカしいのは上がらない日本人の給与(≒企業文化)であって、EU及び北米は極度の物価高(賃金も連れ高)にあり、エルメスに限らず値上げは必然。
日本人が置いていかれる流れにある。
イメージとしては海面(世界)が上昇し、島(日本)が沈んでいく図に似ていて、相対(偏差値)的なもの。
では日本人が置いて行かれる(または値上げによって背を向ける)とエルメスは萎むのかというとそうではなく、大方の消費者の意に反してますます投資・転売目的の新規参入買いが増え売上は伸びる。
客層が入れ替わるだけ。
それがいいかと言うと個人的には好まないが、私の好みで世界は動いてないので、客観的に予想するならば、2017年頃のビットコインのようになるだろう。
去年(2023年)147万円で買ったバーキンが、5年後の2028年には今の転売店(専門店?)の売値を超える339万円になる(それも定価が)と知ったら、今まで興味のなかった人まで「1個くらい買ってもっておこうかな」と考えるから。
すなわち世界で最も利回りの良い金融商品と化する。しかも現金化が極めて早い。
既にそうなんだが、それがもっと一般層にまで知れ渡り加速するということ。
/*
「百貨店はもう終わり」と言われながらデパート各社はバブル期超えの過去最高益を更新し続けているように、物事の多くは一般的な見解と逆行するのが世の中あるある。
*/
かといって、欲しいから買えるって代物じゃないんだが。それでもフィーバーは訪れる。
ではおしゃれのおの字もワカラナイちぐはぐツイリー組を大量に見かけるようになるだろうか。いや、多分未開封のままクローゼットで売り時を待つ人が増え、出荷数に反して街で新品バーキンを見る機会は減るかもしれない。
すると「バーキンって本当に存在するの?」みたいな人達が出てくるので、エルメスは転売目的や投機筋を避けるためにも、実際に使いこなし着こなすファッショナブルな客を選ぶと推察する。
だとすれば、結構見た目がモノを言う時代になるのかなという気がし、ホンモノ志向という意味ではオールドマネーファッションの流れも頷ける。
ちなみにフランスの物価上昇率は去年がピークだろう見方もあり、今から投資目的で新規参入するとバーキンやケリーを正規ブティックで買える頃には峠を過ぎる可能性があるため私はすすめない。
と言っても必ず投機筋は増えるので、変動に流されたりブレないためにも今後の心構えとして。
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