この第一回の口頭弁論になって初めて『A子さん・B子さん誰ですか』って、そんな素朴な疑問今から始めるんだっていうところがある意味衝撃でした」と語ると「なんの立証計画も方針も立ってないって自分で言ってるようなもの」と指摘した。
私はなかなか大した一手だなと思ったが。
「A子さん、B子さんって誰?」と聞くと、一般的にはやっぱり今まで何かしらそういうことをしてきたんだなと受け止められる。
一度もなければ「誰ですか?」ではなく「そんな人は1人もいません」と全否定できるから。むしろ「誰であろうと虚偽だ」と言い切れる。潔白ならば。
ここまでは中学生でも考えるだろう段階。
そのマイナス効果を買ってまで敢えて「A子さん、B子さんって誰?」と尋ねるのはなぜか。
もし松本側にこの告発は虚偽だという確信がある場合、「A子さん、B子さんって誰?それがわからないと認否できない」とし2人の氏名等を求めることで、文春とA子さん、B子さんの秘密保持(取材源の秘匿)の信頼関係が揺らぐ。
で、A子さん、B子さんは文春に「裏切られる」と思って、距離をおくようになり、最終的には訴え(告発)を取り下げる。虚偽+身元がバレるくらいなら早めに切り上げないと名誉毀損の罪が示談・和解に持ち込めなくなるから。
それを狙ってるんじゃないか。
わざわざ「A子さん、B子さんって誰?」と聞いて「●●さんと、△△さんです」と回答がきて「あっ、確かにその2人とはそんなことがありました」というマヌケな展開ではないだろう。
だとすれば松本本人は潔白であるという自信があるっぽい。
一方、A子さん、B子さんは本当のことを言っていた場合、「認否のために誰だか知る必要があります」と言われて、自分の氏名等が公表されることを恐れ開示を拒み、「それだと認否できません」で引き分け(ドロー)を狙っているか。
この場合は被害者を抑え込むズルい手だが、いずれにせよ大した一手だなと私は思う。
「準備がお粗末」どころかなかなかのやり手なんじゃないか。
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