「ハリス氏、激戦3州でトランプ氏を4ポイントリード=NYT調査 | ロイター」

 順調なようで。

 社会が熟れてくると、対立する2つの選択肢を支持する人はほぼ50%づつで拮抗するようになる。

 例えば2016年のイギリスEU離脱国民投票は離脱51.9%、残留が48.1%だった。

 同年のアメリカ合衆国大統領選も、得票率はトランプ氏46%、ヒラリー女史48%と僅差だった。※得票率、得票数ではトランプ氏の負けだったが、選挙人獲得数で上回った。

 経済的にも熟れた先進国は極端な政治はできないため、社会全体のバランスを取った政策を行うと、平均に収束するという当たり前の流れを生み出す。安定した状態。

 が、所得で言えば上位50%は人並み以上の生活ができるので割と満足しているため大きな変化を必要としないのに対し、下位50%は人並み以下の生活しかできないため不満が生じ不公平だと政治家を変えたがる。

 短距離走でもマラソンでも、10人で走っても1万人で走っても必ず上位50%と下位50%に成績が分断されるため、大きな決め事において大凡半々に意見・見解・支持が分かれるのはしょうがないという構造下にある。

 ※試行を繰り返すと正規分布に従う(真ん中で2分される)確率の基礎と似ている。

 今回の米大統領選は、トランプ前大統領vsバイデン大統領という高齢者争いで始まり、率直に言えばじいさん同士の罵り合いの様相を呈していた。

 そういう絵面はアメリカ人にとって西部劇を見るかのように「男達の戦い」と化し白熱していく。

 これをガンマンの決闘シーンに例えると、さすがにバイデン大統領は分が悪い。

 そこで世間はいわゆる「もしトラ」に備えたものの、突然ハリス女史のようなはるかに若く知的で上品な女性、しかも多様性社会を象徴する有色人種が登場すると、西部劇さながらの白人じいさん同士の決闘から打って代わって、今は2024年であり、そんなことしてる場合じゃないと有権者らは目を覚まし襟を正す。

 この冷や水効果を狙って、民主党側が予め途中交代のシナリオを描いていたのならとんでもない策士がいるもんだなと思うが、偶然の交代だっただろうか。

 この効果が思いの外成功し、60%くらいの得票率でハリス大統領の誕生かなと予想する。