コロナ以降、戦争や経済の先行き不安によって、世界中の人々が何かあった時に「ちょっとでも高くで売れるモノを」という思考・嗜好に変わってきている結果じゃなかろうか。
確かにエルメスの場合は枠バッグ(バーキン、ケリー)欲しさにコツコツと買い物実績を積み上げるというよくできたシステムによって、他ブランドよりも継続的かつ安定した売上が得られる構造にはあるが、客が急速かつ大幅な値上げについてきている(顔ぶれは入れ替わったとしても)という点において、少なくとも他のブランドよりは求心力がある。
当然に簡単に客側の所得は上がらないので、要は他のブランド品を買わずにエルメスだけを買う人が増えているんだろう。いわゆる勝者総取り状態。
東京の土地で言えば23区のうちの都心3区(中央・千代田・港)のような存在で、「ココは下がらない」という絶対王者ではなく、「全体が下がれば連れ安にはなるものの、他ほど下落率は酷くない」という根っこの強さのようなもの。
もっと視野を広げたらドルや金(ゴールド)も同じような存在。
早い話、それが下がる時はもうあてになるモノはほとんどない状態。
エルメスの品は飽くまで嗜好品・消耗品なので、世界経済が沈没すれば無用の長物であることは言うまでもなく、「ブランド品の中では」というカテゴリナンバーワンの地位。
投資商品として見られがちなエルメスだが、ほとんどの消費者にとっては買った価格で売れるだけでももう他に戻れなくなるんじゃないだろうか。「消費」はお金を使って終わりだが、原価が戻ってくるとなると「消費」ではなく「交換」であり、何も失っていない。
ただし、定価以上で売れるのは枠バッグだけなので、その枠バッグを手に入れるまでにどれだけお金を使うのかと考えたら、セコい考えで参戦するのはおすすめしない。※下記に詳しく書いているので興味のある方は。
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