何事も計画的に進めて行った方がいい。エルメスでの買い物も然り。
もし今、予算3,000万円の人から年間購入額について「3,000万円×1年」か「1,000万円×3年」かと問われたら、迷わず後者を勧める。
3,000万円×1年は短期集中で一定の結果は早く出ると思うが、初年度の2枠で終了はモッタイナイ。
枠バッグの上限(2個)と、枠バッグの采配(2枠来るか)の東京相場を考慮すると、1,000万円×3年で枠バッグを6個手に入れる方が良い。そんなに枠バッグは要らないという人は、1,000万円×2年で切り上げるのも良い。
仮説のポイント方式だった場合は、初年度に3,000万円使って翌年以降全くお金を使わなくても、しばらく(ポイントの有効期限内)は枠バッグを手に入れられる権利がある(*1)ことになるが、2年目、3年目(の現役層)にしか声がかからない(っぽい)イベントや会員ランク(?)も多々あり、「体験」も含めてエルメスだと考えるならば、生き急ぐ必要はない。
(*1)権利があることと、実際に枠バッグが回ってくるかはまた別。かつポイント制度は飽くまで仮説。
この数年の値上げの度合いを鑑みると、確かにできるだけ早く手に入れておいた方がお得という考え方もある。
一方で、同じくこの数年で急速に小型化していったバッグサイズを考慮するならば、25cmですら大きいと言われる(またはトレンドが反転する)可能性も含め、高額なだけに「エルメスは3年(以上)かけて」が手堅いところなのかなと感じている。
もし3年後のエルメスバッグの価格が高すぎると感じた場合、それは自らの所得が世界基準の物価上昇に対応できていない証なので、3年後には分不相応になっており(身なりと生活水準のバランスが悪くバッグの出番もなくなり)、せっかく手に入れた手持ちのバーキンやケリーを手放している可能性がある人だと言える。
もちろん、いずれ手放すのならば不動産と一緒で安い時に買って高い時に売れるのがイチバン良いが、一時的な所有を前提としている人と、常にエルメスのある(現役かつ最前線である)生活を前提としている人とでは、主義・主張の根底に流れているものが異なる。
私は昔からバッグや洋服、靴などの消耗品を売るという考え方を持ってないので、価格の変動は全く気にしない。
ただ、これまで何度も書いているが、平均的な物価上昇率である年間2%が35年続くとモノの価格は2倍になり(元の値段に1.02を35回乗じる)、先進国では余程のことが無い限りその通りに推移し、かつコロナパンデミック以降加速している。
おっ、じゃぁ買って放っておいてもいつかはバッグの価値が2倍になるのかと思う人もいるかもしれない。バッグだけ見れば確かにそう。
が、他とのバランスというものがある。
例えば100万円の時に買って、現在価格が200万円だった場合、「安い時に買っておいて良かった」と思うこと自体は何も悪くないにしても、それが今現役で使えるデザインなのか(経過年数)という問題と、モノ・サービス全体の価格が2倍になった時に、買った当時と同等以上の生活水準が維持できているか(相対的生活水準)という問題がある。
仮に5年前に100万円のバッグを持って5万円のディナーに行くのが相場だったとし、今現在バッグが200万円にディナー相場が10万円だとした場合、5年前に買った現在価値200万円のバッグを持って当時と同じ5万円のディナーに行けば、現在定価100万円のバッグを買う人達が選ぶお店に出入りすることになる。
一言で言えばバッグが浮く。
端から見れば「あんなに高いバッグを持ってて、食事代(または場所代)はケチるのね」ということになる。
外国人から見た「高級ブランドバッグを持って電車に乗る日本人」と同じ感じだが、日本人はその話がピンとこない人が多いので敢えて例えてみると、バーキンが発売された当時の価格と物価を今現在にあてはめた場合、当時買った大きな一粒石のダイヤモンドの指輪を身につけて今スーパーのレジ打ちで働くような印象だろう(笑)。
ちょっと大袈裟かもしれないが、何かおかしい。気にしない人は気にしないのかもしれないが、私は気になってしょうがない。
すなわち、バッグの現在価値に見合った生活が今現在できなければ出番がなくなるので、そういう人は大抵手放すことになるだろうし、「安くで買って高くで売れて良かった」で満足するに違いない。いわゆる一時所有者。
一方私の性格だと、それを持ち歩いていて相応しいかという古典的な「分相応・不相応」やTPOを気にするので、「バッグの価値が2倍になった」だけでは喜べず、他も当時の2倍の生活ができているか(今現在の物価水準に対応できているか)という相対的なバランスで物事を評価し、それを見越して買い物をする。
その辺が一般的なエルメスファンとは違うところだと思うので、多くの読者はピンとこないだろうなということを自覚した上で書いているし、そういう前提で読んでいただきたい。
というわけで今年も大詰め、そろそろフィナーレといこう。
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