「貧困はどこまでも連鎖する…親の低学歴が招く「子の代まで低学歴で低収入」という悲劇(幻冬舎ゴールドオンライン) - Yahoo!ニュース」

 記事の通り、親が低学歴な場合、学歴社会においては高い確率で所属する会社の規模が小さい=一般的に所得が低い。よって子供を大学にやれず、子供も低学歴=低所得となる循環。

という社会構造にある。

 飽くまで一般的な話であり、自分で起業して成功する人や、中小企業で大出世し、大手企業を上回る高い報酬を得るような人、芸能界など学歴を問われない職種で富を築くような確率的に特異な人は含まれない。

 学歴社会になって久しいので、これ自体はごく当たり前のこと。

 もう1つの問題(?)というかその循環の原因となっているのは、親の精神性にある。

 親がサービス業という家で育った子供がサービス業に就くケースが多いのは、「親の仕事に誇りを持つ」(親が子供にそうさせる)という文化的背景がある。

 「立派な仕事」という精神性。

 親は当然に子供に馬鹿にされたくないし尊敬され感謝されたいので、「将来私達のような不安定で安月給の仕事に就きたくなかったら、大学に行って大きな会社に入りなさい」と教えるケースは少なく、むしろ自らの仕事がどれだけ立派で尊い仕事なのかを説く傾向がある。子供が同じ職務に就くのはその影響を受けた結果と考えられる。

 大方「大学を出たから優秀とは限らない」「大きな会社に勤めているから立派とは限らない」と続く。

 子は同じ道を歩むことで、親を尊敬し目指していると言えば聞こえは良いが、悪く言えば親の刷り込み。

 その結果、子供は「オトナになって数学とか使わないよね?」的な机上の学習に否定的な考え方になり、多くの場合現場で汗水流している方が尊い仕事なのだという思考(思想?)が形成される。当然に数学を使わずに済む仕事にしか就けないという発想には至らない。

 一方、両親が大卒で(大手)企業勤務という家庭の場合、子供は職種を問わず当たり前に(大手、有名)企業勤務を選択するケースが多く、「立派な仕事」的な職種踏襲が見られない。

 「こだわりがない」と言えばそうかもしれないが、ニュートラル。

 ということから、社会的な信用の低い職種(クレジットカードやローン審査で見るソレ)である親ほど、子供に自らの職務の尊さを説き、子供は親に続くという傾向があると言える。

 低学歴であっても、毎日働き子供を食べさせていくことが親として立派であることと、次(子供)の世代も自分達と同じで良いこととは関係なく、飽くまで子供世代が大人になった時、そしてその老後困らない職に就けるよう導いていく親の方が立派だし、ひいてはそれが自分の老後を支えてくれる子を育て自分自身のためになる。

 と言える。