本当にいつもそう思う。
そもそも“専門家”が毎回正しいことを言っていればその専門家は今頃大成功していて、「専門家」と呼ばれず個人名で「あの●●さんがこう言った」と名指しで引用されるはずなので、「専門家」として登場する場合、極めて高い確率で机上の空論でしかないのはどの業界でもあるある。
日本人は長らく均等社会で生きてきたため、人と人の差をなかなか受け入れられない傾向があり、タワーマンションに対してもすっぱい葡萄の心理が強く、挙げ句の果てには羨ましいから暴落して痛い目に遭って欲しい的な傾向がある。いわゆるシャーデンフロイデ。
タワーマンションと同じく「デパートの時代は終わった」「デパートなんて時代錯誤」などとやたら批判的な声が挙がっていた百貨店業界は今バブル超えの過去最高益にある。
バブル時代に栄華を極めた富の象徴かのようなデパートを毛嫌いしている人達が一定数いる。何か悪いことをしているビジネスでは全くないんだが。
タワーマンションの話に戻ると、何十年も給料が上がらない日本人から見れば、確かに何でそんな値段のモノが買えるのと不思議を超えて不可解だろう。「おかしい」とさえ思うかもしれない。
が、昔はある程度の歳(30-35才)になったらマイホームを持つのは当たり前だったので、年月と物価に沿って給料が上がっていればタワーマンション住まいなんて特筆すべき話ではなく、一軒家かマンションかという選択肢の1つでしかなかったはずのもの。
すなわち「おかしい」のはどっちかということ。
日本人の多くが直面している物価に対し所得が追いついていない状態は非常事態なので、他人の資産の暴落を夢見ている場合じゃない。もっと他にしなきゃいけないことが多々ある。
※バーキンの値上げ考察でも書いたが、物価が年2%ずつ上がり続けると、35年でモノの値段は2倍になる。100万円に1.02を35回かけ続けると約200万円になり、例えば35年前の1989年(バブル経済を考慮せず)に相場7,000万円だった新築マンションが今1.4億円になっていても何らおかしくない。
しばらく物価も上がらず、だからこそ給与も上がらず来た社会なので、そこをサラリーマンに問うのは酷だが、順当に収入が上がっていった欧米諸国から見れば、気がつけば日本は貧乏な国に成り下がっていた。
島国の特徴か、インバウンド爆買い然り、海外資本の流入をまるで考慮しない人が多く、日本人の所得が変わらなくても海外が上がれば相対的に下がったことになるという、相対評価の観察眼が乏しい。
日本人にとって高くても外国人にとって安ければ売れるし(円安も手伝って訪日客も過去最高に達した)、一部ではあるが日本人も物価相当または物価以上に稼いでいる人も少しづつ増えている。
水と同じで、深いところも浅いところも最終的には均されるようにできている。輸出入の関係と似ている。
昔は土地も人件費も安かった中国で作り海外に売るのが当たり前だったのが、今ではその中国人達が日本に爆買いに来て立場は逆転し、台湾のTSMCは日本に工場を設置するに至った。すなわち日本が「安い」側へと入れ替わった。
買っている人達が必ずしも外国人である必要はない。日本に住む外国資本の会社で働く人かもしれないし、円高時に買った海外の資産(株なども含め)を円安時に売って多くの日本円を手にしている人かもしれない。
「埋め立て地は人が住むところではない」
ハザードマップで見る限り、じゃぁ何でもっと危険な江戸川区や荒川区にヒトが住んでるのかと問うてはみないのか。晴海は決して悪くない。中央区だし。
「ホントの金持ちはあんなところに住まない」
都心三区の物件にしては安いので、「ホントの金持ち」の話を持ち出すシーンじゃない。「お買い得なんじゃない?」という文脈で出てくるべき物件。
外資の高給取りがローンで買って、5-10年くらい住んで値上がりした時に売って残金を一括返済し、また新しいマンションに住み替えようというノリの物件。それまであの眺望が手に入るなら安い。
人口減で日本の不動産価格がいずれ下がるだろうことは否定しない。その時はタワーマンションに限らず全ての不動産の価値が下がるので、東京都心三区のタワーマンションの価値が暴落する頃には、日本沈没の象徴として捉える方がより実態に近いと言えるんじゃないか。
それだけ中央・千代田・港は強靱なブランド力を持っている。
なので、そこが暴落することを願っている人達は、東京がひいては日本が終わることを願っているに等しい。
と言える。
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