他のハイブランドのスタッフも、顧客から「エルメスどうなってんの!?」と聞かれるらしく、おもてなしの一貫として(?)エルメス情報の収集に励んでいるスタッフが増えてきている印象がある。
年末、よく話すあるハイブランドの女性スタッフと長話(笑)していたところ、友達がエルパトを始めたらしく、エルメスのいわゆる“実績”の仕組みについて根掘り葉掘り聞いてきた。
「友達」と言いつつ本人の可能性もあるが(笑)。
同業者にもまるで情報が漏れないエルメスは、どこかアップルに似ている。
それを「エルメス社員は口が堅い」と受け止める人もいれば、よく出来たシステムの成果だと考える私のような者もいる。
では本題に。
エルメスにおいて「年間○○○万円使ったら枠バッグが1個または2個出た」という話をする上で重要なのは、
●1枠目が出た時点での購入額(バッグを含まないいわゆる“実績”。以下同じく)。
●2枠目が出た時点での購入額。
問題はいつからカウントするか(後述)。
「出た時点」としたのは、買うか買わないかは客の好みとその時のお財布事情によるものなので、店側が出しても良いと判断した時点で判定する方が良い。要は“権利”を与えられているということだから。
例えば10回見送って、購入額1,000万円の時に出た枠バッグを買い、そのまま年を越した際「去年は実績1,000万円で1枠」と言われても参考にならない。他の人は1回目のバッグが好みで買って満足するかもしれないから。
また2枠目消化後以降の買い物は翌年への積み立てとなるだろうことから、例えば購入額500万円の時点で2枠目が出て枠消化完了し、その後年末までに1,000万円買い物して、翌年になって「去年の実績は1,500万円で2枠消化」というのも違う。2枠目購入後、買い物をしないという選択肢もあるから。
■いつからカウントするか問題
昨年(2023年)2枠目を消化完了した後、年末までに1,000万円買い物したとする。そして年が明けて(2024年)01月中にまだ今年は10万円分しか買い物していないのに1枠目が出たとする。
そのまま年末まで買い物をせずに、更に翌年(2025年)になって「去年は実績10万円で1枠」と言われても参考にならない。
と考えると、エルメスのいわゆる“実績”は連続的なものとして捉えることができ、前年からの積み立てをどこからどうカウントするのか。
この点が私が「年末リセット説」を否定する根拠でもあり、ポイント方式の論拠でもある。
ということから、
●2枠目を消化し、翌年の1枠目が出るまでの購入額。
も重要だと言える。
ただし、次のようなケースも考えられ、しばらく何も買い物しなくても2枠出る可能性もある。
■積み立て超過系
2枠分の権利獲得基準を大きく超えて買い物する人の場合。例えば、年の初めに5,000万円分買い物し(なおかつエルメスでの初めての買い物[前年の積み立て残なし])、それ以降何も買わなかったとする(すなわちいわゆる“実績”となる買い物は最初で最後)。で、バーキンもケリーもクロコはキライという人の場合ヒマラヤという選択肢もなく、オーソドックな枠バッグを2つ買ったとする。そこで「約150万円×2個の枠バッグを買うのに5,000万円使った」という表現が真かというとそうではない。
5,000万円使っても150万円のバッグ2つしか出なかったわけではなく、軽く基準をクリアしているが枠はもともと2つまでというルールが先にある。
こういう人はもしかすると翌年も翌々年も何も買わなくても枠バッグ2つ出るかもしれない。“積み立て”有効期限がいつまでなのかによる。
また、初期に『バーキンまでの購入額はどこで決まるのか』にも書いたが、既に基準をクリアしていて、黙って待ってりゃ出るものを、不安で買い物し続けるというケースも多々あるだろう。
ということから、エルメス枠バッグ購入のノウハウとは、話し手も聞き手もある程度思考力がないと何の意味もなさない可能性が極めて高いテーマだと感じる。
細かく見ていけばエルメスに限らず全てに同じことが言えるんだが。
0コメント