2021年の調査によれば、日本には純金融資産が1億円以上の富裕層・超富裕層の世帯が約148万5000世帯存在しています。
仮にその148.5万世帯がバーキンを欲しがったら、少なくとも148.5万人が競合し枠バッグを取り合うことになるんだが、イヤーズギフトの考察から実際はその100分の1以下にも満たないだろう数が争っている様子なので、エルメスもメジャーでありながらニッチでもある気がする。
エルメスの店頭で見かける客層はマス〜アッパーマス層がイチバン多い印象がある。クローズドイベントで準富裕層あたりが多い感じ。飽くまで私の感覚値。
ちなみに「富裕層」等の分類は純金融資産で見るので、持ち家などの不動産資産は含めない。
東京の物価で考えると、年収3,000万円(手取り約1,800万円)の場合、毎年半分の900万円を預貯金にまわしたとしても「富裕層」(=純金融資産1億円)入りするのに11年ちょっとかかる。
そこで新築1億円(都心3区ではもう無理か)のマンションを現金で買った場合、預貯金はゼロになり、再び富裕層入りするのに11年ちょっとかかる。
というのが正確なカウントの仕方。
その所得で毎年1,000万円分エルメスで買い物していると、手取り1,800万円−1,000万円=800万円で、その半分の400万円を預貯金に充てると、全身エルメスでリッチな身なりの割には富裕層入りするのに25年かかる(笑)。そして手残り月33万円で生活する必要がある(笑)。
実際、枠バッグ争奪戦のフロント付近はそんな感じの人達が多い気がしている。庶民から見れば外見は富裕層に見えても、実情は富裕層でない人達。
見た目にお金をかけてその他をケチる場合、大抵は住まいか食費を削るので、ちょっと会話すると住所及び交通手段と食生活などから無理している人はすぐにわかるので、ハイブランドスタッフの会話術の肝はそこにある。
これらの矛盾がなくなるラインが東京の場合世帯年収5,000万円(手取り約2,700万円)〜かなと思う。それでも無借金で新築分譲住まいで富裕層入りとなると10年以上かかる。
※家は住宅ローンでいいじゃないかと考える人も多いと思うが、「純金融資産」とは負債(ローンなどの債務)を差し引いて計算する前提にある。ただ調査会社はそこまで参照できないし、投資の損失等も確認のしようがないので、年間所得と累積年数からの推定資産という可能性も高い。
ということから、税率の低い株などで「一発大儲け」みたいなことがない限り、役員報酬や給与だけで積み上げていくと、必然的に「富裕層」の中心は中年(40才)以降になる構造にある。
世間では裕福=富裕層と捉えられがちだが、厳密に富裕層に分類されるかというとそうではない(しかし見かけは派手な)人が多い。
日本の全世帯数は2020年で4,885万世帯。その3.0399%である148.5万世帯が富裕層ということなので、出現率から換算すると大凡偏差値68-69以上となり、ざっくりとだが社会とは上位2%=偏差値70以上が「名実共に」の目安と言える。
※独身が増えると世帯数が増えるので、数年後には富裕層の数がちょうど2%に収まるだろう。
といった具合に日本の所得分布とこの数年のエルメス相場を見る限り、年収3,000万円以下で東京で正規ブティック参戦するとかなり大変なんじゃないかというのが私の見解。
0コメント