市場は新総裁を歓迎ムード。

 東京午前は日経平均株価も2,000円高と爆上げし、ドル円も再び150円を目指す円安方向。

 市場は高市総裁を歓迎するムード。

 いわゆる「ご祝儀相場」でもありつつ、新総裁の基礎的な方向感としては円安・株高で教科書通りの展開だが、焦点は金利。

 新総裁は物価高対策を掲げているので、これまでの利上げ消極姿勢は影を潜め利上げ容認とするのか、飽くまで利上げは推進せず積極財政の方針を貫くのか。

 問題は利上げだけでも止められなさそうな円安を許容すると、トランプ関税で価格競争力の不均衡を調整したつもりのアメリカから再び関税率アップの圧力がかかる可能性がある点。

 さすがにここから15%円安になるとは考えないが、ドル円相場が110円だったら今の関税率は課されなかっただろうことを考慮すると、円安容認にはリスクがある。

 いっそ円高政策を採り、先行き不透明な気まぐれ関税の影響を回避する方が堅実な気がしている。関税騒ぎの前から。

 要は円安で稼いだ外貨をごっそりアメリカに持って行かれる構造になってしまっては無駄なので、円安が物価高を主たる原因であることも踏まえ、そろそろ「強い日本円」が国益となる基盤作りの時かなと思う。

 円高で資材コストが下がれば、輸送費の高騰と相まっていっそ国内で作ろうと製造業の国内回帰も期待できる。

 病気になったら薬を飲めばいい、手術すればいいという対症療法よりも予防の時代なので、10年後の日本を見据えた政策を期待したい。