エルパトにおける「ニアミス」とは。

 銀座メゾンの4Fのように、一般客がいるオープンなスペースでスーパーフリーバッグを販売する店舗でのことだと思うが、既に商談中のバッグの順番待ちとなったものの前の客で決まった場合、それを「ニアミス」と表現するのをこれまで何度か見聞きした。

 スーパーフリーが本当に何の条件もなく出されている場合はそうかもしれない。

 がもし、スタッフが見て「この客に出してみよう」と選ばれた上で出るんだったら「ニアミス」の意味は危うくなる。

 「そんなのスーパーフリーじゃない」と言われそうだが、購入履歴を確認する前にフロアにいる客の中から選んでいればスーパーフリーと呼んでいいだろう。フロアに複数人の客がいた場合、最初に声をかける1人を選ぶ必要がある。メガホン(笑)で「バーキン入荷しました」なんて言えば騒ぎになり、転倒・争いのリスクが生じるから保安上しない(はず)。

 この場合、選ばれた1番手の人(客A)が重要人物なのであり、たまたまクレジットカードの限度額が足りないとか、色やサイズが好みでないとかの事情で見送らて初めて2番手以降の順番待ちが機能する。

 ※これは私の推察であり何の確かな情報も持っていない。

 だとすれば「あと3分早く行っていれば」は成り立たない。商談が成立した客Aの前に到着してもバッグは出ない(選ばれない)可能性があるから。

 そして「たった今入荷したんですが」と声がかかるのは客Aであり、どのみち順番待ち側に回ることになるかもしれない。

 要は、客A以外にピンと来る客がいなければそもそもバッグは出ないかもしれないということ。

 すなわち「スーパーフリー」にもランクがあり、「先頭」に選ばれた客Aは購入できる確率が自分次第で決まるのに対し(発火装置的な存在)、2番手以降の順番待ち組こそ「棚からぼた餅スーパーフリー」だと言える。

 ということから、2番手以降の人が見送って自分(3番手以降)より手前で決定した場合は「ニアミス」という表現が成り立ったとしても、1番手の人は選ばれている可能性を意識した方が良いかもしれない。

 「選ばれた人」と「それ以外の人」とでは「唯一の存在」と「その他大勢」の差があるから。

 客Aあっての順番待ち。

 それでも「永遠のナンバー2」は「永遠のナンバー3」よりも“おこぼれ”で購入できる確率が高いので、スーパーフリー狙いの人にとっては期待できることにかわりない。

 ただし1番手と2番手が「ニアミス」かどうかはエルメスの声かけ基準次第。

 ギャンブラーが最終的に確率論を学ぶのは、大半のゲームにおいて(例えばサイコロとかルーレットとか)今回「惜しい」状態だったとしても、2回目以降にそれが全く考慮されず常にリセットされることを知る必要があるから。

 ※サイコロの「1」と「2」のズレが「惜しい」かどうかはおいといて(笑)。

 「毎回参加しているのに」という「努力は報われるべきだ」系の思考は精神論(≒宗教的な考え方)であり、確率の世界では前回のゲームと今回のゲームは何も関連していない独立であることを学ぶ。

 ※サイコロで1,2,3,4,5と来たからといって「次は6だ」は何の根拠もない。30回連続で「6」が出なくとも確率に反することにはならず、3,000回ぐらい繰り返せば1-6が均等回数出るようになっている(収束)。

 エルメスがどういった方式かは知らないが、仮に毎回無条件(独立)な選択であれば、(ニアミスで)“惜しい”から「また頑張る」は何の意味もないかもしれず、その反対に全くかすりもしなくても突然回ってくる可能性もある。すなわち完全なランダム。

 ジャンケン的な「誰にでも均等にチャンスが与えられる」という公平性は保たれるが、努力は実らない。いつも来てくれてるか等を考慮しないから。

 はたまた今回書いた推察のように「最初の声かけ」に選ばれるか否かが重要な場合もある。こっちはほぼ持って生まれた“キャラ”で決まる気がする。

 選ばれないタイプの人には不公平に感じられるかもしれないが、いつもウロウロしていれば2番手を勝ち取る確率が高まり、努力は実る。

 どっちがイイのかワカラナイ、どこか皮肉な構造に見える。

 私にとってはこういうことを考えることが楽しいんだが、世の中の多くの人にとっちゃ「で、結局どうしろって言うの?」的なテーマだろうということも一応自分で指摘しておく(笑)。