ドーメル&ロロピアーナのフルオーダースーツの行き先。

 約22年前に仕立てた私のフルオーダースーツ(生地はDORMEUIL、LORO PIANA、カシミア等)の行き先と、昔雇っていたある男(笑)の話。

 「ある男」を変数 $aman (アーメンじゃなくて"A man")とし、ココではその男の名をイーサン(Ethan)だとしよう。日本人だが(笑)。

 $aman = "Ethan"; //代入式

 ※以下変数名「$aman」がそのまま表示されるが、間違いではなく意図的なもの。


 15年ほど前に$amanを雇い入れた際、彼はまだ20才目前で、入社直後に成人式を迎えた。

 数年間の仕事を終えた後は全く仕事上の関わりはないが、$amanの誕生日を含め年に2回ほど食事をし、かれこれ十何年間か、キューバ葉巻とニコラシカを楽しみながら近況を聞いている。

 ↑今となってはこんなに雁首揃えた(笑)チャーチルも見かけなくなった。


 私の22年前のスーツが着られるのはもう$amanしか残っていなくて、他は皆体型総崩れ(笑)。

 しかも多くのテーラーは通常フルオーダースーツは太ることを前提に作るようだが、私はピッタリフィットで作っていたので、当然に誰かに譲ろうにも相手が限られる。

 今じゃデパート内テーラーでドーメルのハイクラス生地でスリーピーススーツを作ると90万円台。

 22年前の物といっても、私は常に10着以上をローテーションで着ることから全く痛んでないので、さすがに捨てるのがモッタイナイ。

 ボンドのように格闘シーンもなければ(笑)ほとんどディナーでしか着ないし、昼間用はまた別にあるし。

 かつ当時既にデザインは8割がた私だったので、2025年現在でもどこのハイブランドブティックに行っても2度見3度見され、仕立てを学んだ人は振り向き、最後は「どちらのスーツですか」と集まってくるという代物。とにかくシルエットが美しい。

 で、その“作品”を捨てられずにいた(笑)。

 捨てるより、着倒してくれる人にあげた方が良い。

 というわけでスーツのもらい手が$amanに決まり、先月4着引き渡しが完了し、ドーメルスーツデビューのお祝いの食事会を開いた。

 そんな$amanも今年35才を迎える。

 うちでの仕事を終えた後も、未だに$amanは私のブログを隅々まで読み込んでいて、私が買ったバーキンの色はおろか、最近では「何才からオッサンなのか」に敏感に反応していたことは記憶に新しい(笑)。

 確かに$amanはハゲた(笑)。

 $amanの生え際の後退の進行は、私が昔から定期的に訪れるとある太平洋の海岸線のソレより深刻な気がする。

 ここにも地球温暖化の波か、白い砂浜と共に黒い毛髪も失われていくのもまた儚し。僅かだが、CO2排出量を減らした。一瞬息を止めて(笑)。

 「中年」の足音が聞こえてきたか、昨年か一昨年頃だったか、連続して眠れないと言うから、還元型Q10とギャバをすすめたところ、睡眠は改善されたと聞いたが、去りゆく毛髪を引き留めるには至っていない。


 去年、$amanのお母さんからフルーツの贈り物が届き、そのお返しに母の日に「(姓)$amanの (名)お母さん 様」と配達伝票の宛先に記載し花を贈った。

 お名前を知らないので(笑)。

 ↑日比谷花壇が嘘を付いてなければ(笑)このアレンジ。


 日に日に、社会から人間味や暖かさが失われていく中、こういったアナログなコミュニケーションもいいなと昭和の香りに想いをはせつつ。

 今年の母の日は$amanのお母さんめがけて(笑)パチンコ屋の開店祝いよろしく花輪でも贈ろうかなと花輪屋を検索してみている今日この頃。

 ↑画像はこちら(Giftmall)から拝借。


 会ったこともない男から母の日にこれが届いたら驚くやらご近所さんに恥ずかしいやら迷惑極まりないだろうなと思いつつも、「あなたの息子さんを雇っていたのはこんな男ですよ」というご挨拶も兼ねつつ(笑)。

 侘び寂びを感じつつ。

 いや、詫び錆びか。

 詫びて済めばいいが。


 そういえば先月$amanと食事をした際、バーで$amanがモンテクリストの“オープンマスター”に続いて“セクレトス”(コイーバ)に火を付けたあたりだっただろうか。

 $amanは昔から頻繁に私の夢を見るとは以前から聞いていたが、最近は$amanのお母さんの夢にまで私が登場したと話し出した(笑)。

 まるで$aman一家が私に呪われているように見え、「お気の毒に」と思いながら聞いていた(笑)。

 それにしても昔から私の夢を見る人が多いのはなぜなのか。


 話はスーツに戻ると、小さい頃から襟付き・長袖シャツ+ベスト+ジャケットがないとダメな性格だった私にとって、スーツは非常に大きな意味を持つ。

 ドーメルのスーツと私は運命共同体にあると以前書いた

 もらい手が決まって嬉しい。

 あと20着くらい$amanの元に行くだろう予定だが、本人にはまだ伝えてない(笑)。


 そんな本日のBGMは$amanも好きな横浜DAYBREAK♪(by恭さま)


 年末「新しいテーラーと最高傑作のスーツ」の前振りを書いていながらその後続編を投稿していなかった。

 ついにとある高級メゾンのメンズテーラーと私のコラボレート(バトル?)が。

 近々綴りたい。


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 なぜ冒頭で代入式から書き始めたのか。

 例えば、日本の総理大臣のように頻繁に名前を差し替える必要があり(笑)、かつ大量のページが存在する環境下において、文書内に固有名詞や人命を直接記入してしまうと、全てのページで全文置換作業を行う必要がある。

 が、こうやって$amanに代入しておけば、冒頭の代入式のみ書き換えることで全文が自動的に置換される。

 ※プログラミングコードが生成する文書では、$amanのところに代入した文字列(今回の場合「Ethan」)が表示される。当然に紙の文書では無理。

 文学もデジタル出版が当たり前になれば、そのうち登場人物の名前は冒頭の代入式で読み手が自由に設定できるようになってもイイんじゃないかと感じつつ、そういえば日本の「プログラミング的思考」の義務教育は進んでいるんだろうかと思い出しつつ書いてみた。

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