前回の、おならおじさん(笑)の話を聞かせてくれたアロマセラピストとはまた別のスパのセラピスト(20代半ばの女性)との話。
勢い良く飛び出すように登場し、慣れているはずの店内のステップでイチイチ躓くという女性(笑)。
イマドキの日本人女性はお酒飲まない・飲めないという人が多いので、私からそのテーマで話すことはないんだが、唐突に「お酒とか飲まれるんですか?」と質問されたので「ハイ」と答えた。
セラピスト「何を飲まれるんですか?」
私「最近シャンパンが多いですね」
セラピスト「えっ!?シャンパンって、あのシュワシュワッてやつですか?」
私「はい、あのシュワシュワです(笑)」
セラピスト「どこで飲まれるんですか?キャバクラとかですか?」
私「いいえ、その手のお店は行ったことありません」
セラピスト「えっ、キャバクラ以外にどこでお酒飲めるんですか?居酒屋とかですか?」
キャバクラか居酒屋しかないのか東京は(笑)。
シャンパンとはディナーの食前酒として捉えるのが普通じゃないのか(笑)。
堅物の私は未だにキャバクラとホステスクラブの違いもわからず(笑)、どちらも人生で一度も行ったことがない。そして居酒屋にも行かないので、これは会話が難しそうだなと感じつつ話を続けた。
私「外で飲む時はレストランかホテルのバーだけですね」
セラピスト「ホテルのバーって何するんですか?」
私「・・・、お酒を飲む場所で、以前は葉巻も吸えたので良く行ってましたが、近年は禁煙の流れでバーで葉巻も吸えなくなり、行かなくなりました」
セラピスト「キャバクラとか何で行かないんですか?」(意地でもそのテーマ(笑))
私「関心がないのと、騒々しいところが苦手なので」
セラピスト「えー、ぜひ行ってみてくださいよー。めっちゃ凄そう」
私「どう凄いんですか?」
セラピスト「高いお酒とか入れると凄いじゃないですかー」
私「そうなんですか。盛り上がるってことですかね?」
セラピスト「そうそう、キャバ嬢達にキャーキャー言われて♡」
私「・・・、静かに飲みたい派なので」
セラピスト「えー、もったいなーい」
私「・・・、すいません(?笑)。そういうの好きなんですか?」
セラピスト「もちろん、興味ありますよー。Youtubeとかで凄いじゃないですかー。キャバ嬢とかどんな感じなのかとか、めっちゃ興味ありますー。あとホストとかの良く見ますー」
私「女性ならホストクラブに行くんですかね。行ったことあります?」
セラピスト「いえ、行かないって決めてます! 一度行ったら絶対ハマる自信があるんで!(笑)」
私「ハマる自信ですか(笑)。ハマらない自信じゃなくて?」
セラピスト「はい!(笑)。私超単純なんで、ちょっと煽てられたり、褒めれたりしたらもう一瞬でハマるはずなんで!(笑)」
私「そりゃ、やめといた方が良さそうですね(笑)」
という具合に、ひたすらキャバクラとホストクラブの話が続いた。
なぜか「ハマる自信がある」と言う時に、セラピストの声が弾んでいた(笑)。ということは自分の欠点として捉えているわけではなく、どこかに願望があるっぽい。機会さえあればということだろうか。
最近若い女性がホストクラブにハマってツケ払いで借金を抱え、海外で売春してきてまで貢ぎ続ける人が増えていることは報道で知っている。ハワイで単身の日本人女性が入国拒否されたことは記憶に新しい。
日本人は依存症リスクが高いとは良く聞くが、なぜにそんなに男も女も飲み屋にハマるのか。
私としては自宅の夜景の方がよっぽどお酒が進むんだが。どこにお金をかけるかで本質的な性格が見て取れる。
美容師と話していても「ホスト(またはキャバ嬢)がYoutubeで言ってた」系の話が始まることがよくある。
情報源のほとんどがYoutube。戦後の日本において、皆がテレビにかじりついていた時代に逆戻りしたかのような印象を受ける。
今の日本社会はいわゆる“先輩”や上司がおごってくれる余裕がないので、皆が給与の範囲でしか体験できないことから、所得格差=体験格差と直結していて、自分の知らない世界を覗いてみたい願望が強いんだろう。
そして話は続いた。
私「ところでお酒は好きなんですか?」
セラピスト「それが私全然飲めないんですよー。シャンパンとかも飲んだことがなくて」
私「・・・、なるほど。・・・、それだと確かに・・・、もしホストクラブに行ってもあまりお金使わずに済むんじゃないですか?」(ノンアルコールドリンクもあるのかと気遣う(?)素人な私(笑))
セラピスト「いやー、絶対お金使っちゃいますね。飲めなくてもボトルとか入れてあげちゃいそう♡」
私「・・・、なるほど・・・」
昭和のオッサン達がホステスクラブ通いするのを見て世の女性達は「男ってほんと好きよねー」と呆れ顔していたいたのが、そのまま逆転した感がある。
結局男女差はないのか。
「お酒が飲めなくてもボトルを入れてあげる」とは、献金?寄付金?何と呼ぶのか(笑)。イマドキで言う「推し活」なんだろうが、日本(または東アジア?)独自文化な気がする。
10年くらい前までは、20代の日本人女性にシャンパン=食前酒(乾杯)と当たり前に通じていたものだが、今となってはホスト・ホステスに貢ぐための「シュワシュワの飲み物」でしかなくなってきているっぽい(笑)。
未だにディナーは上着とネクタイが当たり前のオールドファッションな私にその話をされてもと思いつつ(笑)。
ホステスブーム(?)だった頃の昭和のサラリーマン役職者達(雇われ社長とか部長とか)は、日本企業の安い給与でいかに年収及び名刺(肩書き)以上に自分を大きく見せるかに勤しんでいた。
会社の接待交際費で高級店やホステスクラブに行き、高いお酒を入れちやほやされるという仕組み。年収以上にお金を持っているように見える。実際の私生活は住宅ローンや子供の学費などでカツカツという中で。
前述の「奢り」も、先輩や上司が(会社のお金で)気前よく若手をあちこちに連れていってくれるもんだから、15年くらい前までの20代の社会人はそこで自分の所得以上の体験が得られるという恩恵を受けていた。
まぁ、大抵の場合、中年上司のうんちく・講釈を長時間聞かされることと引き換えに(笑)。
それが2000年代半ば頃から接待交際費を削る企業が増え、リーマンショック以降更に削られ、東日本大震災以降「自粛」ブームでますます削られ、世のサラリーマン役職者達は急速に萎んでいった。そして入れ替わるようにニューリッチ層の台頭。
一方現代の日本人女性は、自分で働いたお金をホストに貢いでいる。
そこだけ摘まみとれば、「会社のお金だったら使う」(自分のお金は他人に使わない)という勤め人男はケチであり、自分のお金を貢ぐ女性は一途(?)と見えなくもないが、それだけでは説明が付かない根の深さを感じている。
とにかく、20代の日本人女性はキャバクラとホストの話が多く、ファッションの話でもお酒の話でも、どんなテーマでもイチイチ出てくる。どちらかというと「(若手の)お金持ちの代表」としてお手本化しているようにさえ見える。
終いには「元AV女優の方のお話がすごく勉強になって良く(SNSなどを)みてます」という女性美容師もいた。
ダメだとは言わないが、他に人生のお手本になる人はいないのか。
むしろ一昔前で言う「人に言えない仕事」の方が若手女性の心を掴んでいる印象があり、「逆境の中で生き抜く姿」のようなものを自分に重ねているんだろうか。自己啓発の一環か。
昭和の中年男が、戦国時代の武将と重ねて自分の生き方を語っていたソレに似た心理か。
私がある程度長い時間日本人女性と話すのは美容師かアロマセラピストくらいしかいないので、飽くまでサービス業従事者のサンプルでしかないが、世の中難しい方向(笑)に進んでいる気がする。
まずはせめてコートとジャケットの順番くらいわかるようになって欲しい(笑)。
それも「贅沢」な願いだと言われる時代が来るだろうか。
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